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サッカー日本代表は“変わりばえ”しない顔ぶれ?最終予選直前に考察してみた

大迫の“後継者問題”は継続


 左SBと同様に枯渇を懸念されているのがストライカーだ。左SBとストライカーの枯渇は長年にわたって日本代表を悩ませている問題だが、それは何も日本だけに限った話ではなく世界中でも枯渇しているポジションである。ヨーロッパのビッグクラブを中心に、そのポジションで才能のある選手を買い求める傾向が世界的に強いことからもそのことがわかる。  現状の日本代表で言えば、大迫勇也が唯一無二の存在で彼に代わるような選手は現れていない。今回FWとして選ばれた選手は、大迫勇也以外に古橋亨梧がいる。彼はスコットランドのセルティックへ移籍し、開幕から活躍しており日本代表においても新たなストライカーとして期待が集まる。しかし、古橋亨梧は日本代表が現在採用する4―2-3-1のシステムで1トップのポジションを担える選手ではなく、森保監督も2列目での起用を考えているのではないだろうか。その1トップの候補として、東京五輪代表だった林大地(シント=トロイデン)や上田綺世(鹿島)らも挙げられるが、現状では大迫勇也を脅かすにはほど遠く今回も未招集となっている。

1トップにこだわる必要性は?

 見渡すかぎり後継者に欠けるFWだが、個人的には1トップにこだわらなくても良いのではないかと思っている。才能豊かな選手が多い2列目の選手の特徴を生かすために4―2―3―1のシステムを採用していることは理解できるが、このままでは左SBやストライカーの枯渇という弱味を補えないままになってしまう。2トップや3トップ、3バックのシステムを採用して、弱味を補完しつつ強味を生かせる新たなシステムや戦術を模索しても良いのではないだろうか。 <文/川原宏樹>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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