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三世代・4人家族で協力しながら生活する山暮らしの魅力

さらに300坪買い増してヤギ小屋を建てる

 亮介さんは会社員として働きながらも、生活の基軸は‟山“に置き、いまは毎日7頭のヤギの飼育に精を出す。
山を買う楽しみ

山の中でヤギのシーちゃんを散歩させる亮介さん。敷地の大半が傾斜地なので、こうして歩くだけでも自然と足腰が鍛えられるそうだ

「毎朝搾るヤギのミルクは自家消費していますが、将来的には近くにあるチーズ工房に委託してヤギのチーズをつくって販売したいと考えています」(亮介さん)  2020年6月にはさらに300坪の山林を買い増して、ヤギ小屋を建てた。これからはヤギのレンタルや生体販売もやっていくつもりだという。
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ヤギ小屋が立つ山林とカフェのある山林は、土地を所有する地主さんのほうから買ってほしいともちかけられたという。「私たちが定住したのを見て買ってくれると思ったんでしょう」(青木さん)

ほどよい距離感が可能にする気兼ねのない自由な山暮らし

 自然あふれる山を舞台に、ほどよい距離感で助け合いながら、経済的にも自立して暮らす新井さん家族のたくましいライフスタイルには、都会にはない幸せが感じられる。 もちろん、山での暮らしは楽しいことばかりではない。2年前の豪雨では最寄りの町に至る唯一の道路が3カ所で崩落してしまったため、重機を使って自分たちで道路を応急的に復旧させたそうだ。
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異なるタイミングで買った山林を効率よく移動するために、中古で買ったパワーショベルで斜面を削って自分たちで道もつくっている

 「山ではすべてを自分でやらなければなりませんが、逆にいえばだれにも気兼ねせずにやりたいことは自由にやれます。義父も定年でこっちに移住したので、これからは家族4人で協力して山での暮らしを楽しみたいと思います」(亮介さん)
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エンジニアだった青木さんは、自作したガレージ兼作業場で好きな機械いじりを楽しんでいる。現在は敷地内で落差を利用した水力発電をするために、タービンを使った装置をつくっている

 最近、亮介さんは小屋の横に露天風呂とサウナを完成させたのだが、ここで使うお湯は青木さんが愛車のウニモグで近くの温泉スタンドから大型タンクで運んでくるのだとか。こんなところでも、みごとな連携プレーが発揮されている。
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クルマとバイクが大好きな青木さんが所有する多目的作業車「ウニモグ」。平成元年のモデル、で、登録されているこのタイプの車両は日本に10台ほどしかないそうだ

取材・文/後藤 聡 撮影/林 紘輝
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