更新日:2021年10月12日 16:28
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フリーランスが、賃貸住宅の審査をあっさり落とされてわかったこと

「会社員」しか信用されない日本

「フリーランスの引っ越しは審査が通りづらい」というのはこれまでに業界の先輩方から散々聞かされていたので、複数人の知人に連絡を取り、事前に「審査対策」を徹底しようと決めていた。年収が数千万円あるだろう有名人ですら普通に数件連続で審査落ちすることがあるそうなので、この国において会社員以外の信用というものが皆無に等しいのは明らかだし、実際にフリーランスの立場から見ても「そらそうやろなあ」と思ってしまうくらい収入は月によって大きく変動する。

年収の書類すら出す前に「落ちてました!」

そのため1件目の物件の申し込みの際、あらかじめ不動産会社担当者の佐藤さん(仮名)にメールで「個人事業主なので、おそらく会社勤めの方より審査に通りづらいかと存じます。そのため、オーナーさんや保証会社さんに安心していただけるよう、確定申告書類や主要取引先などを記した資料、また、審査に必要となる書類を準備してお送りさせていただきたいのですが、どのタイミングでお送りすればよろしいでしょうか」と相談をした。 確定申告数時間後、佐藤さんからは「申し込みを保証会社様にお送りしましたので、審査が進むまで1週間ほどお待ちください」とだけ返信があった。ここで「確定申告書類の話は?」と思ったが、ひとまず申し込み書類の年収など最低限の情報を確認後、審査が進んだ段階で提出を求められるものだと解釈し、とりあえず連絡を待ってみた。結果、佐藤さんから「すみません落ちました!」と元気に連絡が入った。違くて。
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フリーが審査を通るためのコツは
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1991年生まれ。フリーライター・コラムニスト。貧困や機能不全家族、ブラック企業、社会問題などについて、自らの体験をもとに取材・執筆。文春オンライン、東洋経済オンラインなどで連載中。著書に『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声』 twitter:@bambi_yoshikawa

年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?

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