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35歳以上のミドル転職で失敗する人の特徴。“対策”や“コツ”はあるのか

IT業界の中では「ITインフラ系」が狙い目

転職 ただ、そんなIT分野のなかでも狙い目があるという。 「ネットワークやサーバーにかかわる“ITインフラ系”は人手不足です。“資格持ち”なら35歳まで実務未経験でも採用される風潮となっています。資格の取得が採用条件となっている背景としては、資格を持っていた方が入社後の教育コストが下がるだけでなく、配属がしやすいというメリットが採用企業側にはあります。また、資格を取得している人の場合、未経験分野にチャレンジしようとする本気度も伝わり、企業の評価も上がります。  ITインフラ系は知名度が低く、業務イメージが掴みづらいため、スクールなどで受講生が集まりにくく、IT転職の選択肢としてはマイナーではありますが、実際に転職ができる分野としては“狙い目”だと言えます。  それ以外の分野では、ビルメン(ビルメンテナンス)や施工管理、警備スタッフなども常に人手不足で、仕事として安定していることからコロナ禍でも積極的に採用しています」

「職種ではなく“業種だけ”を変える」転職であれば、年収アップの可能性も

 では、これまでの経験やスキルを活かす方向で、より年収の高い会社へ転職したい場合に大切なことは何か。川畑氏は、給与水準を決める要素は3つだと解説する。 「年収が上がる転職の要素は『収益性の高いビジネスモデル』『希少性』『業界内のトップ企業』の3つです。  手っ取り早く年収を上げるには、職種ではなく“業種だけ”を変えることです。給与水準はほぼ業種で決まります。「業種≒ビジネスモデル」で、高収益なビジネスモデルの業種であれば年収水準は高く、その逆だと低くなります。ですので、キャリア資産を引き継ぐためにも職種は変えずに、より収益性の高いビジネスモデルの業種へ転職することが重要です。  また、『自分と同じスキルを持っている人が少ない』と、希少性が高い人材として重宝されるため、年収も上がりやすくなります。下手に同業の競合他社に転職して、同じような経歴、スキルのライバルとしのぎを削るよりも、希少価値が上がるような環境で働いた方が年収も上がりますし、その分野のエースとして職場で活躍できます。  最後の要素は、その業界での会社のランキング。同じマーケットでも、トップシェアに近ければ近いほど、一般的には収益も上がっていて、年収も高くなります」  いずれにせよ、業務内容はなるべく変えずにキャリア資産を目減りさせないことがミドル転職における年収アップの前提となる。
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転職の前にやるべきこと
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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