エンタメ

『おかえりモネ』が“朝ドラの失敗作”の評価を覆したワケ。テレビマンが解説

永瀬廉はジャニーズきっての名俳優になる逸材

 また、B氏はモネの幼なじみ・亮を演じた「King&Prince」の永瀬廉の演技力も高く評価した。 「あれだけ華があるにも関わらず、気仙沼で健気に漁師を続ける青年を違和感なく演じ切れていたのは演技力の賜物だと思います。また、モネに想いをぶつける告白シーンや仲間たちに胸に秘めた感情を吐露するシーンの演技は、共演していた若手俳優の中でも群を抜いていましたね」  B氏は、永瀬廉は今後ジャニーズきっての名俳優になると太鼓判を押した。

感動や胸キュンを生む名ゼリフがズラリ!

 最後に、深夜ドラマやアニメの脚本を手掛ける女性脚本家・C氏にも同作の感想を尋ねた。彼女も脚本の繊細さを評価しつつ、心を打つセリフの数々を絶賛した。 「東京編になってからモネと菅波が再会するシーンや車いすマラソンに関わっていくシーンが“ご都合主義”という声もありましたが、私は非常にドラマ的な展開で好感を持ちました。何より全話を通してよかったのは脚本家の安達さんが紡ぐセリフの数々。  西島秀俊さん演じる気象キャスター・朝岡の『何もできなかったと思う人は、次はきっと何かできるようになりたいと強く思うでしょ。その思いが私たちを動かすエンジンです』という力強いセリフや亮がモネに想いを伝える『違う、そういう意味じゃない。わかってんでしょ?』といった胸キュンゼリフなど、さまざまな名ゼリフが盛り込まれていた名作朝ドラだったと思います」  同じ脚本家が嫉妬するほどの名ゼリフの数々も『おかえりモネ』の高い評価の一因だったようだ。  このように、結果的に視聴率こそ振るわなかったものの、朝ドラの歴史に大いに名を刻んだ『おかえりモネ』。記録よりも記憶に残る作品として語り継がれるだろう――。 取材・文/木田トウセイ
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
1
2
3
おすすめ記事