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『おかえりモネ』が“朝ドラの失敗作”の評価を覆したワケ。テレビマンが解説

低視聴率を揶揄されることもあったが……

おかえりモネ

おかえりモネ公式Twitterより

 国民的ドラマとして2010年前後から再評価されるようになり、軒並み高視聴率をマークしている“朝ドラ”こと「NHK連続テレビ小説」シリーズ。  そんななか、5月よりスタートした清原果耶主演の『おかえりモネ』は初回こそ19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高い視聴率をマークしたが、それ以降は16%前後に下降。さらに、8月6日には広島平和記念式典や東京五輪の影響もあってか同作最低の11.5%を叩き出すなど、低視聴率を揶揄されることが多かった。  しかし、ラストを迎えるにつれて業界人やドラマファンからは視聴率と相反して“史上最高傑作”といった声や“新しい朝ドラだった”という高評価を得る結果に。一体『おかえりモネ』の魅力とは何だったのか、全話を視聴した業界関係者たちに話を聞いた。

『おかえりモネ』が“暗すぎる朝ドラ”と言われたワケ

 キー局でドラマのプロデューサーを担当する50代男性のA氏は、序盤から2週目あたりまでは不安視をしていたと明かす。 「序盤は『このままで大丈夫?』という不安がありました。清原果耶さんは表現力に関しては若手随一の女優ですが、朝ドラのヒロインらしい天真爛漫さや破天荒なところが欠けていた。  また、主人公のモネ自身が葛藤を抱えているという設定だったこともあって、『ヒロインにしては暗すぎる』だったり『ストーリーが重い』という序盤の低評価に繋がってしまったんだと思います。ここで視聴者を離してしまったことはもったいなかったかな」  ドラマにおいて、序盤の展開や明確なキャラクター設定は重要だが、その点においては失敗だったのかもしれない。
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なぜ評価が上がったのか
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