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オワコン業界から逃げ出した人たちの末路「転職先がどこにもない」

 あらゆるコンテンツが一台のスマホで楽しめるようになった現代。デジタル化の恩恵を享受できる一方、かつて隆盛を誇った出版、音楽、写真などの業界は「斜陽産業」とも揶揄される。以前は羨望の眼差しを向けられていた多くの“業界人”が「泥船から逃げだそう」と現場をあとにした。
空を見上げる男性

※写真はイメージです(以下同)

 若ければいくらでも転職先はあるだろうが、中年ともなればそうもいかない。その後、彼らはどこで何をしているのか——。

中年の雑誌編集者に待ち受けていた困難

「出版業界を辞めたのは5年前。最後は給料も出ず、担当していた雑誌も廃刊。転職先もなく、お先真っ暗という状態でした」  元雑誌編集者の鎌田裕一郎さん(仮名・40代)は、斜陽産業といわれて久しい出版業界に20年ほど在籍。1990年代、雑誌は売れに売れて「毎晩経費で飲みに行っていた」と振り返る。  だが、辞める直前の数年間にいたっては、給与は出ないわ人は辞めていくわで「斜陽産業」の現実を目の当たりにしたという。鎌田さんは雑誌編集以外に業務経験は無く、中年の転職者を受け入れてくれる出版社も皆無だった。

食うために仕方がなくWebの世界へ

 いまの時代に自分は求められていない……すっかり自信喪失していたところ、知人のWeb編集者から声をかけてもらったという。 「Webだろう? って正直、馬鹿にしていました。でも、食べるためには仕方がないと思い、とりあえず入社した感じです」(鎌田さん、以下同)  そんな鎌田さんだが、現在では、あるサイトで責任のあるポジションを任されるまでになっていた。 「雑誌からWebの世界に移って、自分の仕事が通用する場は増えているのかもしれないと思うようになりました。編集者だけではなく、ライターさんだってそうでしょう。書くこと、編集することが好きなら、プラットフォームはどこでもいい。紙や雑誌に固執する必要は無かったんです」  文字を書く、編集するという仕事は、いわゆる“メディア”に限らず、一般企業がみずから運営するオウンドメディア、広報やPR会社、果ては個人のブログやnoteの代行など、出版社や新聞社以外の場所でも求められている。それに気づいた鎌田さんの表情は明るい。
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音楽も写真もスマホで事足りる
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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