更新日:2022年09月02日 12:29
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コスパもよくライバルも少ない。競馬ファンが障害レースを買うべき3つの理由

実は「平地の予想法」と手順は変わらない

 障害レースは予想の仕方が分からない、という声を耳にします。そして、そうした声の主は、得てして、平地レースで数多くの要素を取り入れて検討していたりします。平地のレースを真剣に予想しているからこそ、障害レースが運任せのように感じてしまうのかもしれません。  実は、障害レースの予想法も、その手順は平地のレースと変わりません。例えば、平地のレースでコース適性を重視される方は多いのですが、これは障害レースも同じです。  分かりやすい例は、襷(たすき)コースの有無。襷コースとは、コースを斜めに横切る走路のことで、中山・阪神・小倉・福島の4場に設けられています。襷コースがある競馬場は、コーナー部分も多くなる分、一層、平地力を求められにくくなり、飛越の巧さとバテないスタミナが重要になってきます。  したがって、襷のないスピード重視のコースで好走したからといって、襷のあるスタミナ重視のコースでも走れるとは限りません。これは、平地のレースで、瞬発力が求められる軽い芝と持続力が求められる重い芝との違いを意識するのと同じです。

予想する側のライバルが少ない。またはレベルが低い

 新馬戦や障害レースは、データベースを使っての分析が難しいため、検討対象から外している予想家が少なくありません。今、流行りのAIも同様でしょう。  また、前述の通り、平地の予想に理論武装して臨んでいる意識の高いファンほど、障害レースを避けがちです。その結果、障害レースは、馬券を買って参加しているプレイヤーのレベルが、平地戦よりも低くなっている可能性が高いのです。競馬が、周りのプレイヤーとお金を取り合うギャンブルである以上、これは非常に大きなメリットです。  実際、魚谷氏は、著書内で「障害レースはオッズが甘くなりやすい」と書いています。今や、競馬予想の環境は格段に上昇しており、周りと差をつけるのが難しくなっています。狙い目になる穴馬を見つけたと思ってもオッズが全然ついていない「オッズ辛過ぎ問題」も頻発。平地予想が研究し尽くされたレッドオーシャンであるのに対し、障害レースには、まだまだ研究したら報われるブルーオーシャンが広がっているのです。  12月25日には、障害のチャンピオンを決定する中山大障害が行われます。過酷な障害を人馬一体でクリアし、全馬完走の暁には場内から暖かい拍手が沸き起こる。競馬が上質なスポーツであることを再確認できる瞬間です。  中山大障害を観て、障害レースに興味を持たれる方もいるかと思います。そうしたら、是非、試しに障害レースの馬券も買ってみてください。そこにはギャンブルとしての魅力も存分に詰まっているはずです。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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