更新日:2021年12月14日 19:20
エンタメ

劇団ひとり、ビートたけしの若き日を映画化。“信者”以外にも伝わるように

時間が経てば勝手に大人になると思ったら大間違い

劇団ひとり――多岐にわたって活躍している監督から、もともと夢はあったのだけれど、日々の生活に追われて停滞してしまっている人に、あえて鞭打つ言葉をいただけませんか? 劇団ひとり:ええ! そんな生活に追われて毎日を頑張って過ごしている人に、僕が鞭を? ――打てませんか(苦笑)。 劇団ひとり:じゃあ、若い頃の自分にもし檄を飛ばすとしたら。時間が経てば勝手に大人になると思ったら大間違いだということは言いたいですね。やっぱり意識しないと大人になれません。小さなことでいえば、僕は大人になったら二度寝はしないものだと思ってたんですけど、やっぱりしますから。 ――誰も言ってくれないので、逆に大変かもしれませんね。 劇団ひとり:自分に甘くなっていくので、余計に堕落していきますね。もしも将来自分がなりたい理想像があるのだとしたら、今なっていないのなら10年後に勝手になったりしません。今日二度寝してたら、10年後も二度寝してます。もし10年後、20年後、こんな大人になっていたいというものがあるのなら、今すぐその人にならなきゃダメです。 浅草キッド――なるほど。ちなみに監督が、現在いろんなジャンルで活躍されているのは、自分でレールを考えて進んできたのでしょうか? それとも縁の積み重ね? 劇団ひとり:両方ですね。今回の映画に関しては企画から自分で立ち上げているので、自分発信ですが。でも映画を撮れるようになったいきさつを考えると、そもそも出版社が「小説を書きませんか?」と持ち掛けてくれて、1冊書いたら、それが映画化された。それが僕のなかでかなりの驚きだったんです。「俺の書いた本って映画になるんだ!」と。映画なんて、自分とは全く別世界のものだと思っていたので。 ――そしてさらに監督を。 劇団ひとり:はい。自分の原作が映画になるんだと知って、じゃあ次の作品は自分で監督してみたいとなっていった。縁で始まっていることだけれど、そこから自分で映画監督という扉を開いた。色々やらせてもらっていますが、今は次の新しい扉を開けようという気はないです。映画の扉の部屋があまりにも広くて(笑)。時間がかかるし、現実的に自分の寿命とか考え始めるんですよ。今回実現に7年かかったので、ちょっと焦り始めますね。もっとやりたいので。 ――自分で扉を開いた映画制作にどっぷりですね。 劇団ひとり:そうですね。あと10本ぐらい撮りたいです。 <取材・文・撮影/望月ふみ>
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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