話題の元自衛官YouTuber、憧れの自衛隊を辞めてSNSに活路を見出すまで――2021年ベスト10
難病にかかり、志半ばで自衛隊を除隊
「陸上自衛隊は、前期と後期教育に分かれていて、前期では3カ月で自衛官になるために必要な基礎知識を身につけるんです。そして、どの職種に向いているのか前期教育中に適性検査と、面接での希望調査があります。
私はもともと広報活動がしたくて。入隊試験での面接でも伝えたうえで入隊していました。適性検査と希望調査の結果、通信科に配属となりました」
通信科に配属となり、明るい展望が描けていた頃、思いもよらぬアクシデントが襲った。
「広報活動を本格的にするうえで、3曹という階級にならないといけないんです。3曹に昇任するための試験には、体力検定がありました。でも、その試験を受ける前に大腿骨頭壊死症という病気になってしまったんです」
聞き慣れない病名だが、これは国から難病指定されており、俳優の坂口憲二さんが患っていると発表し、芸能活動を中止したことで話題ともなった。
「昇任もできないのにずるずる自衛隊にいて、部隊に迷惑をかけるのが自分自身で許せなかったので、任期満了で退職しました。でも何も貢献できないまま退職してしまったので、それが心残りでした」
SNSをフル活用、YouTuberとして貢献したい
かざりさんは、自衛隊員としては広報活動ができなかったことを悔やんだ。しかし、その魅力を伝えることを諦めなかった。学んだ知識や経験をより多くの人に知ってもらいたい——。
YouTubeである。2020年にチャンネルを開始。いまや再生回数300万回を超えるような“バズる”動画を生み出すなど人気を得ているが、最初は手探りだったと振り返る。
「それまで動画をつくったことはなくて。本屋さんで本を買ったり、完全に独学で『Premiere Pro』というソフトを使い始めました。いまも難しい編集は勉強中ですが、頑張っています。
やっぱり、物をつくるのが好きなんです。 (約370万回再生の)自衛隊体操の動画も、バズらせようと狙ったわけでもなくて。自分の好きなことを一生懸命にやっただけ。ネットでは、それが大事なのかもしれないです」
動画をつくりはじめてしばらくはあまり再生回数が伸びなかったというが、「ある日から急にバーンと伸びた」と話す。
こうしてSNSで自衛隊ネタを発信し続けた甲斐もあり、現在は“YouTuber”として正式に自衛隊とコラボして広報活動を行うように。募集ポスターのモデルとしても起用されている。今後、彼女が目指すものとは?
「自分が興味を持ったものは、なんでもチャレンジしてみたいという性格です。いまやってみたいことのひとつとしては、“ガンアクション”ができる女優になりたいと思っています。自衛隊ではアサルトライフルの89式小銃を使用していました。自分で言うのも恐縮ですが、普通の女優さんよりは銃の扱いには慣れていると思います。根性もあります。オファーお待ちしています!(笑)」
【かざり】
三重県出身。タレント、女優。現在は、元自衛官タレントとして、防衛省や自衛隊の広報活動も行っている。Twitter:@kazariri、YouTube:かざりぷろじぇくと
<取材・文/池守りぜね、編集・撮影/藤井厚年>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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