ゴキブリが潜んでいるのは「エアコンの中にも」。秋冬からできる対策は――2021年ベスト10
2021年(1月~11月)、日刊SPA!で反響の大きかった記事ベスト10を発表。どの枠にもはまらない「ノンジャンル」部門の第8位は、こちら!(初公開日 2021年9月20日 記事は取材時の状況)
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涼しくなってくると徐々に見かけなくなる「ゴキブリ」。夏は最盛期と呼べるが、じつは秋冬もいなくなったわけではない。姿を潜めているだけなのだ。今回は、ゴキブリ対策専門サイト「ゴキラボ」編集長・和田まりさんに、今からやっておくべき対策を聞いた。
「ゴキブリは雑食で、食べカスはもちろん、小麦粉やドックフードなど、何でも食べます。ですので、完全な根絶はできないんです」(和田まりさん、以下同)
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夏よりは減っている気もするが、ゴキブリはいったいどこに潜んでいるのだろうか。
「ゴキブリは9月くらいまでは繁殖期で、動きが活発です。成虫は寒さに弱いので秋冬はほぼ死んでしまいます。一方、幼虫(※生まれたばかりの幼虫は除く)と卵は死なずに休眠(冬眠)状態に入ります。屋外の場合、その居場所がどこなのかと言えば、夏と同じ場所の可能性は高いです。ただし、休眠するためには、ある程度低い温度である必要があります。彼らは、低温かつ風などの影響をうけず、じめっとしている暗いすき間を好むので、そういった場所で休眠していると考えられます。
屋内でも、同様の環境がそろえば休眠して冬を越すことがあります。たとえば、冷蔵庫の隅や、台所のシンクの下にある配水管の周りに生息しているかもしれません」
【参考記事】⇒ゴキブリは「1匹いると100匹いる」は本当。今からできるゴキブリ対策
通常、冬の間は活動自体がストップしてしまう性質だという。
「冬の休眠中は、成長も止まるので、卵もかえらないし幼虫も脱皮しません。エサや水も口にすることはないです。ちなみに、ゴキブリは脱皮をして大きくなるのですが、脱皮した皮は自分やほかのゴキブリが食べてしまうので、見かけることは少ないんです。脱皮したてのゴキブリは真っ白で、めったにお目にかかれないので、私は『幸せのゴキブリ』と呼んでいます」
ゴキブリの幼虫は、寒くなっても存在が消えるわけではなく、休眠しているだけだという。幼虫は休眠中、成虫ならば死んでいるはずだが、冬になっても姿を見かけることがあるのはなぜだろうか。
「温暖化の影響もありますが、今は気密性の高い住居が増え、そのなかで暖房や床暖房をよく使っていることで、冬の間でも成虫のゴキブリが活動しているんです」
部屋が暖かいほど居つきやすいらしいが、その生命力は強い。昆虫の寿命は一般的に1年未満と言われているが、ゴキブリはそのなかでも長寿。
「全国的に主流のクロゴキブリの成虫は、環境(※)さえ整っていれば200日近く生きるものがいるという報告があります。
国内では九州など暖かい地域を中心に分布するワモンゴキブリは、休眠しないんです。寒さに弱いので本州においては屋外で冬は越せないと言われていました。しかし、近年は都心のマンホールの下や暖房設備のあるビル内など、暖かいところで捕獲されたという報告もあります。そういったケースもあるので、東京などの都市部では、年がら年中ゴキブリがいると考えられます」
(※)25℃の環境
冷蔵庫の隅やシンク下の排水管付近に潜むゴキブリ
快適なエアコンや床暖房、本来は休眠中のはずが…
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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