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紅白に出る意味がある歌手、ない歌手。NHK紅白歌合戦にまつわるトリビア

 72回目のNHK紅白歌合戦(以下、紅白)が間近に迫った。昨年の視聴率は40.3%。1963年に記録した最高値の81.4%から半減したものの、それでも昨年放送された全番組の中でトップ。今でも国民的音楽番組と呼べる。そんな紅白歌合戦の世界をより深く知るためのトリビアを記したい。

紅白に出る意味がある歌手、ない歌手

NHK放送センター

NHK放送センター(東京・渋谷)

 昨年まで2年連続で出場したロックバンド「Official髭男dism」が今年は出場しない。「落選ではなく、辞退した」(スポーツ紙音楽記者)とされている。  ロックバンドに連続出場のメリットはほとんどない。数回出場し、認知度を高めたら、それで十分。ファン層と視聴者層があまり重ならないのが大きな理由だ。紅白の視聴者はF3層(50歳以上の女性)、M3層(同男性)が多い。  半面、紅白のコアな視聴者であるF3層とM3層をメインターゲットとする歌手にとってはメリットが大きい。典型例は4人組男性歌謡コーラス・グループ「純烈」。2018年に初出場すると、4人を取り巻く環境は一変した。 「全国のプロモーターが『純烈』のコンサートを欲しがるようになった。チケットも飛ぶように売れるようになった。当然、4人の収入も大幅にアップしたでしょう。この状態を保つためには紅白に出場し続けるべき」(コンサート会場スタッフ)  特別なケースがジャニーズ勢。今年は初出場の「Snow Man」ら5組が登場するが、それによるコンサートのチケットなどの売上増は見込んでいない。チケットの大半はファンクラブを通じて販売しているからだ。 「ジャニーズ勢にとって紅白は年に1度のファンサービスの意味合いが強い。NHKも若い視聴者の獲得につながるので出てもらいたい」(前出・スポーツ紙音楽記者)  歌手側が紅白に出る、出ないを決める理由はそれぞれ異なる。

紅白で最初にパフォーマンスを行なった歌手は…

 紅白を彩るのは歌手たちのパフォーマンス。ロックバンド「氣志團」の綾小路翔(45)が扮するDJ OZMAとバックダンサーが、全裸に見えるボディスーツ姿で『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』を歌ったのは2006年だった。  2015年には『女々しくて』で出場したゴールデンボンバーの樽美酒研二(41)が歌の途中で赤いまわし姿に変身。すると土俵が出現し、審査員のピース・又吉直樹(41)と相撲を取った。  そんなパフォーマンスの第1号はサザンオールスターズの桑田佳祐(65)。1982年、『チャコの海岸物語』で2回目の出場を決めると、白塗りと和服姿でステージへ。当時、国民的歌手だった故・三波春夫さんを真似たのだ。歌い方も三波さんそっくりだった。もちろん本人の了解も取ってあった。  間奏ではアドリブで「受信料は払いましょう!」と訴えた。これに観客は爆笑。桑田の遊び心を知るファンは大喜びだった。桑田のパフォーマンスは大御所になった後も続いた。2018年、特別枠で出場し、フィナーレで『希望の轍』と『勝手にシンドバッド』を披露した際には、『勝手に――』の途中で北島三郎御大(85)の前にひざまずき、「サブちゃ~ん!」と絶叫。  ユーミンこと松任谷由実(67)の前では「ララララララ、ユーミンさん」と歌い、ユーミンも「ララララララ、桑田くん」応じた。ユーミンが桑田の熱唱を讃えて、キスをプレゼントする一幕もあった。日本の音楽シーンを牽引し続けている桑田は紅白の可能性を広げたパイオニアでもある。
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