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これじゃ林文子前市長と変わらない! 野党統一候補で当選した山中竹春横浜市長記者会見の呆れた閉鎖性

東京電力 記者会見におけるフリーランス記者排除との酷似

 実は、今回の参加条件厳格化を知らされた時、私は素直に横浜市長記者会見への今後の参加は諦めるつもりでいました。わずか2回目の参加で山中市長から実質的に指名拒否されたり、指名されるようになっても日本語が噛み合わないことが多く、実りある質疑が出来ているとは言えない状況が続いており、わざわざ会見に参加する意義を見出しにくいと感じ始めていたからです。  ところが、参加条件の厳格化について筆者がTwitterで率直に発信したところ、意外な人物から反応がありました。吉本興業所属の芸人で2011年の原発事故を機に東京電力 記者会見に参加してジャーナリストとしても活動中のおしどりマコ氏です。東京電力の記者会見も2011年4月に内閣府 大臣記者会見と同様の参加基準を設けて、多くの記者を排除しました。  参考までに前回の記事でも紹介した内閣府 大臣記者会見の参加条件の記載を改めて以下に示します。2021年9月1日時点の内容ですが、10年前もほぼ同じ文言だったと考えられます。 ——————————-——————————- <参加登録対象>  1.(社)日本新聞協会会員社に所属する記者  2.(社)日本専門新聞協会会員社に所属する記者  3.(社)日本地方新聞協会会員社に所属する記者  4.(社)日本民間放送連盟会員社に所属する記者  5.(社)日本雑誌協会会員社に所属する記者  6.日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者  7.外務省が発行する外国記者登録証保持者  8.上記1~6のメディアが発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者(いわゆるフリーランス)等 *十分な活動実績・実態とは、1~6に対応する媒体に、原則最近6ヶ月間に2つ以上の署名記事掲載がある等とする ——————————-——————————- <出典:内閣府 大臣定例記者会見の参加登録対象 (2021年9月1日時点)>  そして、2011年の東電の経緯について、おしどりマコ氏が私宛のリプライをつけて説明して頂いたツイートは以下になります。ご本人の了解を得た上で抜粋して紹介します。 ——————————-——————————- 「これ2011年4月に、東京電力の会見が基準を変えて、記者を締め出した時と同じ。(中略)横浜市は原発事故後の東京電力みたいなことするんですね」 「今回の会見改悪で参加資格を失うのは犬飼さんお一人とのことですが、2011年4月の東電・統合本部合同会見では、多くの方々が参加資格を失うことになりました。岩波書店の「世界」「科学」の記者も、週刊金曜日の記者も、日本証券新聞などの記者も、軒並み会見に参加できなくなりました。長期取材して書籍を出版するジャーナリストも、半年以内の記事が無ければ参加できません。(中略)また「従来の慣習」に従った良くない会見でも、首長の指示により、会見が開かれていくこともあります。今回の場合、横浜市長会見なので、市長の一存で何とでも変えられるものです。市長の一存で会見が閉じられるということに関しては、断固、抗議します! この会見改悪は、犬飼さんお一人の問題ではなく「知る権利」の踏みにじりです。そして、犬飼さんだけの問題ではなく、民主主義の礎となる、情報公開に対しての冒涜だとも思います。」 ——————————-——————————- <出典:おしどりマコ氏の12月23日付 ツイート(123456>  このツイート内容について補足すると、岩波書店は雑誌の「世界」「科学」の他にも「広辞苑」や「岩波文庫」で有名な出版社ですが、項番5の日本雑誌協会には加盟していません。また、週刊金曜日も著名な雑誌ですが、発行元の株式会社金曜日はやはり日本雑誌協会に加盟していません。日本証券新聞は日本最古の証券専門紙ですが、項番2の日本専門新聞協会には加盟していません。  このように、著名で実績があっても協会には加盟しないポリシーの企業の記者は会見から排除されてしまうのです。また、私が引っかかったように「半年以内に指定媒体で署名記事を2本」という条件がハードルとなり、締め出されたフリーランス記者もいました。  つまり、「一定の基準が必要なため、内閣府 大臣記者会見の基準を準用する」という説明は、一見もっともらしく聞こえますが、コントロールしやすい大手メディアだけに参加者を限定するための口実として都合よく使われてきた歴史があるのです。  こうした背景を踏まえて横浜市長記者会見の話に戻ると、おしどりマコ氏を含む複数の方々が今回の参加条件厳格化の意思決定プロセスについて横浜市にすでに情報公開請求しており、本当に筆者が狙い撃ちして排除されたかの真偽はいずれ分かるでしょう。ただ、百歩譲って今回の横浜市長記者会見における参加条件厳格化に、特定人物を排除する意図は無かったとしても、もう私個人の問題ではおさまらないところまで発展しているのだと私は考えを改めるに至りました。なぜかと言うと、今回の横浜市長記者会見の参加条件厳格化がまかり通ってしまうと、他の自治体も不都合な記者を排除する際の口実として同じ手法を使えることになり、日本全国の地方自治の情報公開のレベルを引き下げてしまう恐れがあるからです。  ちなみに私は前回から2回にわたって日本雑誌協会に加盟する扶桑社が運営する日刊SPA!で署名記事を書きました。もう読者の皆様もお気づきだと思いますが、横浜市が再びゴールポストを動かさない限り、横浜市長記者会見の参加資格を私は再び満たします。晴れて会見に再び参加できたら、まずは今回の参加条件の厳格化を取り下げさせるべく質問(というか要望)することが私の最初の仕事だと考えています。  積極的な情報公開や透明性の担保を掲げて当選し、林文子 前市長時代の閉鎖的な記者会見(フリーランス記者が参加しても質問はNG)を就任直後に改め、フリーランス記者も質問OKとして情報のオープン化に努めた功績をお持ちの山中竹春市長であれば、きっとご理解頂けると信じています。 <文・写真/犬飼淳>いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、theLetterで政治に関する様々な論考を発表。国会答弁を色付きで分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。地元の横浜市長記者会見などに参加し、記者クラブ制度の問題点にも言及。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版英語版仏語版)で国会答弁の視覚化などを全世界に発信。TwitterID/@jun21101016
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