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サウナ×瞑想で究極のととのい。涅槃の果てまで飛ばされた「寺フェス×寺サウナ」体験ルポ

お寺は日本のサウナ発祥の地

寺サウナ2

会場にはテントサウナがズラリと並び、さらに暖を取れるよう五右衛門風呂や焚き火、こたつが絶妙な塩梅で配置。1月の寒空がむしろ爽快に感じられた

 今年も、サウナがアツい。  京急川崎駅からほど近い瑞龍山宗三寺にて、【アウトドアテントサウナ】×【お寺での瞑想】×【縁日やプロレスなどの催し】という、まったく新しい形のイベント「寺フェス」が1月15日と16日の2日間にわたり開催された。 「寺フェス」の主役は、なんとっても寺の境内を贅沢に使って堪能できる「寺サウナ」だ。2020年に日本サウナ大賞を受賞したサウナー垂涎のイベント「寺サウナ」が今回、「寺フェス」とコラボレーションしたことにより、宗三寺にお目見えしたのである。  そもそも「なぜお寺でサウナ?」と疑問に思う人もいるだろう。実はお寺は日本のサウナ(蒸気浴)発祥の地と言われ、食事、瞑想とともに蒸気浴は修行の一つだったとされている。  サウナと言えばフィンランドのサウナやロシアのバーニャというイメージが強いが、日本にも長いサウナの歴史があるのだ。かつてお寺は地域の寄合や交流の場としても機能しており、お寺によっては浴室も一般開放されていたという。よってこのイベントは、昔の日本の風習を現代に蘇らせる画期的な試みとも言えるだろう。  1月15日の東京の最低気温は、マイナス0.2℃。絶好のサウナ日和に本誌記者は寺フェスに参加。究極の“ととのい”を体験してきたので、詳述したい。

川崎駅前の喧騒を抜けると現れた非日常的空間

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隣接する無料エリアでは屋台形式で飲食店が登場。ちゃんこ、もつラーメン、からあげからバリスタによるコーヒーまで提供され、クオリティの高さに圧倒された

 品川駅から10分ほど電車に揺られ、降り立ったのは京急川崎駅。喧騒のなかを5分ほど歩くと、突如として現れたのが、今回の目的地である「曹洞宗瑞龍山宗三寺」だ。  今回体験するのは「サウナ3時間コース(瞑想体験込)」、7000円。流れは以下の通りだ。 (1)サウナ体験(90分) (2)瞑想・座禅体験(30分) (3)有料・無料エリアで休憩(30分~)  持ち物はタオル、水着、サンダル、ポンチョなど。有料レンタルもあるが数量限定なので、これらを持っていない人は事前に「手ぶらセット」を予約しておくと安心だ。  宗三寺に入りまず目に飛び込んできたのは、テントサウナに水風呂、五右衛門風呂、そして1月の寒空のもと水着にもかかわらずホクホク顔で歩く人々だった。サウナスペースの横には簡易こたつや焚火が置かれ、それぞれ鍋をつついたりBBQを楽しんだりしている。  そのさらに奥にはまるで縁日のように屋台が並び、ラーメンや鮎の塩焼きなどを頬張る人でごった返していた。しばらくして始まったのは、なんと路上プロレス。雄たけびを上げるプロレスラーの姿と、厳かな雰囲気漂う境内とのギャップがなんだかおもしろい。
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ロシアから上陸した最強のテントサウナ
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