“台湾の小松菜奈”と呼ばれる女優・陸夏、転機は「OLを辞めた25歳」
芥川賞作家・小川洋子の小説をベースに映画化した日本・台湾合作の映画『ホテルアイリス』が公開中だ。永瀬正敏演じる中年の男と禁断の愛の世界に落ちていく若い女性マリを、“台湾の小松菜奈”と呼ばれている陸夏(ルシア)が演じている。
「小松菜奈さんは可愛くてキレイで、演技もステキなので、そう呼ばれるのは光栄ですし恐縮ですが、日本のみなさんにも、これからはルシアと呼んでもらいたいです」(ルシア)
――オーディションでマリ役を獲得されたそうですが、オーディション時のことを教えてください。
ルシア:参加する際に、原作小説を読んで、マリのイメージを自分の中で作って挑みました。髪型や、普段私はワンピースを着たりしないのですけど、マリはそうした服装かなと感じて、ワンピースを新しく買って着ていきました。オーディションでは奥原浩志監督ではなくキャスティングの方とお話しました。
――ルシアさんにとって本作は長編映画デビュー作ですが、かなり大胆なシーンもあります。躊躇しませんでしたか?
ルシア:オーディションに関しては、インターネットで情報を見つけました。そのときに、自分が知っている制作会社と、永瀬正敏さんと奥原監督のお名前も情報開示されていました。ぜひ参加したいと思い、そこから小説を読みました。いろんな性愛の描写が出てきて、正直「ワオ!」と思うような場面も多々ありました。でも、女優としてチャレンジしたい気持ちのほうが大きかったですし、当時私は25歳で、新人女優として若くないことも自覚していました。こうした信頼できるプロジェクトへのチャンスがあるのに、挑まない理由はありませんでした。
――もともと女優業に挑戦したかったのですか?
ルシア:25歳が自分のなかでのひとつの転換期でした。22歳で大学を卒業したあとに、役者になりたいという気持ちがふつふつと沸き起こり、仕事をしながら、役者になるための授業を受けました。25歳までの間、OLとして仕事をしながら勉強していたんです。25歳の2月にOLを辞め、その年の6月にこのオーディションに挑んだんです。
――女優としてはデビュー作ですが、それまでにもモデルとしての活動はされていたかと思います。でもOLとしても働いていたんですね。
ルシア:台湾は副業してもいい社会なので。OLをしながら、モデル業などもやっていました。OLを辞めたのは、その会社に入ってから満1年が経ったときでした。OLになったのは、もちろん収入を確保するためでもありましたが、モデルとの兼業になるけれど、1年間は絶対に辞めずに勤めようと自分自身で決めていました。
25歳までOLとモデルの2足の草鞋を履きながら芝居の勉強をし、本作でチャンスをつかんだルシア。「自分はもっとできるはずだと思っているからこそ、今の自分に不満がある」と上を向く彼女に迫った。
大胆な性愛の描写に正直「ワオ!」と思った
25歳の2月にOLを辞め、6月にオーディションを受けた
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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