更新日:2022年03月07日 11:32
エンタメ

“黒い任天堂”と言えばコレ『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の黒くて怖い思い出

(3)仮面をつけるシステムが黒い

『ムジュラの仮面』というタイトルの通り、ゲームのメインモチーフとなっているのは「仮面」。「デクナッツの仮面」ならフィールドに咲く花をジャンプ台にでき、「ゴロンの仮面」なら重いものが持てるようになります。ただ、その変身シーンはとてつもなく悪夢的。リンクが断末魔のような悲鳴を上げながら、暗いモヤのなかで頭を抱えて、身体を乗っ取られるかのよう。  また、この仮面を商う「しあわせのお面屋」もくせ者。貼り付けたような笑顔をいつも浮かべていますが、ひとたびキレると表情が一変し、リンクを恫喝する……。仮面の具現化とも思えるインパクト大の人物です。

2015年には3DSで、リメイク作『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』も発売された

(4)BGM、ビジュアル演出が黒い

『ムジュラの仮面』の発売当時のキャッチコピーは「こんどのゼルダは こわさがある。」。その言葉通り、随所にホラー風の演出が入っています。ゲーム冒頭、禍々しい仮面をかぶり、けたたましい笑い声を上げる小鬼のスタルキッドが登場。自分がデクナッツに変えられてしまう出だしからして、子どもにはギリギリの怖さでしょう。  また、落ちてくる月には顔面があり、目を見開いて歯を剥き出している形相は異様。さらに最期の6時間はカウントダウンのタイマーが画面下に表示され、絶望を煽るBGMが流れ、鐘の音が響く……。パニックホラーとサイコホラーを足した雰囲気がたまりません。  最近は『ゼルダの伝説』というと『ブレス オブ ザ ワイルド』の「オープンエアー」のイメージが強いですが、時間・空間ともに閉塞ワールドの『ムジュラの仮面』もいいものです。 <文/卯月 鮎>
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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