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馬券的中の武器「ラップ予想」を徹底解説。分析すれば競走馬の全貌が明らかに

ラップを分析して競走馬の全貌を見抜く

 ラップを使って予想するということは、競走馬の能力をより詳細に分析でき、能力の全貌を見抜くことができるといっても過言ではありません。ここからは実際にどのようににラップを見て予想していくのかを解説しましょう。  例として先ほど挙げた昨年の日本ダービーを再度見てみましょう。 ラップタイム:12.2 – 10.6 – 12.2 – 13.0 – 12.3 – 12.4 – 12.8 – 11.7 – 11.4 – 11.5 – 10.8 – 11.6  スタートしてからダッシュがついていない最初の1ハロン目が遅く、10.6秒の2ハロン目でポジション争いが起こっています。そして3ハロン目に12.2秒、4ハロン目に13.0秒と一気にラップが遅くなり、ペースが落ち着いたということがわかります。  ちなみに、競走馬の平均時速はおよそ60kmと言われています。これをハロンに換算すると12.0秒。つまり12.0秒が平均的なタイムといえるでしょう。よく、レースの実況などで「1000m通過が60秒を切っておりハイペースです」と聞くことがあると思いますが、これも1ハロン12.0秒を基準にしているためですね。12.0秒×5ハロンで60秒になるので、これより速ければハイペースと判断しているという事です。  話を昨年の日本ダービーに戻しましょう。5~7ハロン目は若干の前後こそあるものの落ち着いた流れで、レースが動いたのは8ハロン目。ここから11秒台のラップが刻まれており、さらに11ハロン目には10.8秒というラップが刻まれました。  つまり日本ダービーでは、8ハロン目から速いラップがゴールまで続き、かつラスト11ハロン目に11秒を切るかなり速いラップになったということがわかるかと思います。前半余力を残して、レース終盤にどれだけ長く脚を使えるかということ。そしていかに優れた最高速度=トップスピードを発揮することができたかということが問われたレースと分析できます。こうしたスピードの高さや、スピードを長く維持する能力に長けていた馬が、勝利したシャフリヤールであるということがわかります。  今後、シャフリヤールを狙うべきレースのタイプがわかったので、そのような展開になりやすいレースのときに狙い、そうではないレースでは疑うべきだということになりますね。

シャフリヤールが苦戦した例

 競走馬の全貌がわかれば、後はその馬の能力が発揮できる条件で再現を狙えばいいだけ。実際にシャフリヤールはその後、雨が降って不良馬場になった神戸新聞杯で自身の持ち味である最高速度を活かせないレースになって敗戦しています。が、次走のジャパンカップでは再び持ち味の活きる舞台で33着に好走しています。  このようにラップ予想では競馬場の特徴を覚えて活かすことになります。ざっくりと解説すると直線の長い東京競馬場や中京競馬場、阪神競馬場と新潟競馬場の外回りは最高速度に優れていることが重要になりやすい傾向にあります。逆に直線の短い中山競馬場や阪神競馬場の内回り、後は新潟競馬場以外のローカル競馬場では最高速度を有していてもそれが活きないレースになりやすくなります。このように競走馬の特徴とコースの特徴を重ねて予想をするのがラップ予想の手法の一つです。  今回はラップ予想の中でも基本的な点になりましたが、ラップ予想では競走馬の特徴を掴むことで予想の精度は確実に上がると思います。ぜひラップで予想を試してみてくださいね! 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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