更新日:2022年03月28日 12:55
仕事

ドンキのPOPを作る専属の職人がいた「研修でドンキ文字を1か月描き続けました」

売り場の担当者から依頼を受けて制作開始

ドンキPOP写真4

ドン・キホーテ公式キャラクター「ドンペンくん」は、24年前に勤めていたPOPライターが生み出したキャラクターのようだ

 ドンキのPOPは、まず売り場担当者からPOPの依頼を受けて製作に取りかかると馬場さんは語る。担当者から“商魂コメント”などが書かれた依頼書をもらい、実際に現場に行ってどこにPOPが置かれるかなどをチェックした後、POPを描き始めるのだとか。 「POPに描かれたドンペンくんのセリフによって、文字色などを考えて作っていきます。派手にすれば良いと思われがちですが、全部派手だと目立たなくなってしまいますし、売り場にある他の商品のPOPとの兼ね合いも考えつつ、全体の色を決めるようにしています」  そうして出来上がったPOPが売り場を飾っていくことで、ドン・キホーテの独特な、まさにジャングルのような売り場=買い場(編注:ドン・キホーテでは売り場のことを、主語を客に置き換えてこう呼ぶ)が出来上がっていくのである。
ドンキPOP 裏側

一般客が立ち入ることのできないバックヤードにもPOPが飾ってあり、裏側もドン・キホーテの世界が広がっていた

季節の行事、地域のイベントをチェックしてPOPを作る

ドンキPOP写真6

季節行事に合わせたPOPも作成している

 商品のポイントをわかりやすく説明するだけでは、客の購買意欲はそうそう刺激されるものではない。いかに客の気持ちを盛り上げて購入に繋げるかもPOPライターの腕の見せ所だという。 「瑞江店の近くには江戸川があり、夏は花火が綺麗に見えるスポットが多いんです。そういう時は『ビール ケースごと冷えてます!』というPOPを書きます。元江戸川区長が開始の挨拶で必ず話す『目に花火、心に友情、手にビール』っていう名文句があったんで、それをもじったPOPを作ったりすると、毎年地元の方々は『今年もこの季節か〜』と思ってくれますよね。そういった季節や行事に合わせて、お客さまの心を掴むPOP作りを心掛けています」
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ドンキPOPライターの職業病とは
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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