更新日:2022年03月24日 16:47
スポーツ

サッカー日本代表、森保監督の「冒険しない采配」は吉か凶か…運命の最終戦

長友の右サイドバックで予測されること

長友 サッカー日本代表

右サイドバックでの起用も考えられる長友 ©JFA

 だが、やはり右利きの長友は右サイドのほうが合っている。これまではポジショニングや縦への推進力でカバーしてきていたが、その力に陰りが見えてきた今は右サイドでボールを受けたほうが良くなる。右利きの選手が左サイドでボールを受けるときは、体の向きが相手ゴール方向ではなく自陣ゴール方向を向きがちになる。必然的に縦へのプレー速度が遅くなり、センターバックへのバックパスが多くなる。  それ故、チャンスが生まれにくかったのがサウジアラビア戦前までの左サイドだった。サウジアラビア戦での長友はかつてのような積極性を取り戻し、ポジショニングの良さでチャンスをつくった。しかし、FC東京での試合を見るかぎり右サイドのほうが自然と前方を向いてボールを受けられており、相手ゴールへ向かってボールを進められている。  よって、右に山根のAプランでも右に長友のBプランでも、それほど大きな問題にはならないだろう。

勝敗を分けるのは試合中の“対応力”

 前回の対戦では日本のシステム変更に戸惑って後手に回り敗れたオーストラリアだが、それでもその試合の後半にはある程度の対応を見せてきて劣勢を押し返している。それを踏まえると、初見ではない今回の対戦では、より研究を進め、しっかりと対応してくるだろう。  さらに、主力を欠くオーストラリアはどのようなシステム、戦術で来るのか試合が始まるまで読めない。そうなってくると、試合中の対応力が勝敗を分ける。最終予選では、その対応力が課題となり苦戦してきた。だが、試合を重ねるにつれ、その力は上がってきている。  オーストラリア戦では、培ってきたその力を発揮し最終予選の集大成を見せてほしい。 <文/川原宏樹 写真提供/日本サッカー協会>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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