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東京に続いて大阪も“上乗せ”禁煙条例。喫煙所の整備を疎かにしてはならない

“野良たばこ”の責任はどこにある?

喫煙所

決められた喫煙所があれば、喫煙者はルールを守ってその場所で吸う。喫煙所が少ないのが問題だ

 こうした“野良たばこ”は決して褒められたものではない。が、望まない受動喫煙を防ぐための法整備が結果として喫煙者を街の片隅に追いやっているのであれば問題だ。  受動喫煙防止条例を推し進めるならば、公共の喫煙所の設置を進めることが急務であることは、大阪府が大阪府民1742人を対象に行った意識調査をみてもわかる。 Q オフィスや飲食店等の施設における原則屋内禁煙が進むにつれ、施設周辺の路上喫煙が増加する懸念があります。屋外に分煙所の設置を進めることにつれ、あなたはどう思いますか。 (全体) 進めるべき 41.3% 「たばこの煙が漏れない」「人通りが少ない」など一定の配慮があれば 46.6% 進めるべきではない 5.5% どちらでもない 6.6% (非喫煙者) 進めるべき 37.0% 「たばこの煙が漏れない」「人通りが少ない」など一定の配慮があれば 56.4% 進めるべきではない 4.2% どちらでもない 2.4% (喫煙者) 進めるべき 48.4% 「たばこの煙が漏れない」「人通りが少ない」など一定の配慮があれば 30.3% 進めるべきではない 7.7% どちらでもない 13.5% 「喫煙所を増やすべし」という意見は喫煙者のエゴではないことは、非喫煙者の9割以上が「進めるべき」と回答していることからも明らかだ。

喫煙所の整備と飲食店への支援なくして条例なし

 日刊SPA!が非喫煙者に対して行った独自調査でも「喫煙者を虐めるのではなく、受動喫煙を防止するのが改正健康増進法の目的なら、公共の喫煙所の整備とセットじゃないと成り立たない」(45歳・医療機器)、「たばこ税を取る限り、喫煙所の設置は当たり前のこと。吸わない人だって恩恵は受けてるんだから。『たばこは体に悪いから撲滅しろ』って人もいるけど、じゃあ代わりの税収はどこから取るのかも合わせて言ってほしい」(52歳・食品)といった声が上がった。  令和4年度与党税制改正大綱は、令和3年度に続き「望まない受動喫煙対策の推進や今後の地方たばこ税の継続的かつ安定的な確保の観点から、地方たばこ税の活用を含め、地方公共団体が駅前・商店街などの公共の場所における屋外分煙施設等のより一層の整備を図るよう促すこととする」としている。  たばこ税は国・地方合わせて年間2兆円。公衆喫煙所や屋外喫煙場所等の整備を積極的に行い、規制対象となる飲食店に対して十分な財政的・技術的支援を行うことは施政者として必須事項だ。また、そのことは大阪府受動喫煙防止条例にも附帯決議として承認されている。  国際イベントに向けたアピールのために、条例ありきで規制ばかりを推し進めることのないよう、引き続き動向を注視する必要がありそうだ。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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