更新日:2022年09月02日 12:24
お金

回収率111%超を誇る現代版「府中のトニービン」はあの馬か。東京競馬場で今買える騎手・調教師・種牡馬を解説

 

東京芝でベタ買いプラスの調教師がいる

   続いては調教師。特注は木村哲也調教師です。    管理馬は、2020年以降、東京芝に131回出走して複勝率53.4%。単勝回収率122%、複勝回収率102%。つまり単複は全て買い続けてもプラスという確変状態です。こちらも同期間の「中山芝」の成績が複勝率39.3%、複勝回収率73%ですから、好走率においても回収率においても東京が中山を大きく上回っています。    意図的に東京を狙う調教師として知られていたのが、2月に惜しまれつつ引退した藤沢和雄調教師でした。師の管理馬が中山で敗戦した後、「東京なら」という談話を何度目にしたことでしょうか(笑)。しかし「藤沢厩舎の東京狙い」は一般ファンに広く知れわたり過ぎており、同期間における東京芝での複勝回収率は75%にとどまっていました。    その点、木村調教師の場合は管理馬のレベルが高く、東京狙いも明白であるにもかかわらず、あまりファンに意識されていないため、回収率でも高い数字が出ています。現状では、「木村厩舎の東京だから買う」という声はあまり聞かないので、今が狙い目です。    同タイプの調教師として、宮田敬介調教師にも注目です。集計期間内における東京芝の成績が複勝率40.9%、複勝回収率120%なのに対し、中山芝は複勝率25.9%、複勝回収率63%。馬券的には、東京アゲ、中山サゲが正解です。    木村、宮田の両名に共通するのは、ノーザンファーム生産馬を数多く管理している点です。ノーザンファームといえば日本一の牧場であり、ダービーやジャパンカップを目指す素質馬を数多く抱えています。生産者サイドの「東京で強い馬作り」の方針も、東京での好成績に繋がっているであろうことは想像に難しくありません。  

現代版「府中のトニービン」はこの馬

   最後に種牡馬について。東京芝での勝利数上位10種牡馬で、東京芝での複勝率が中山芝の複勝率が上回っているのは以下のとおりです。   ・ディープインパクト(東京35.7%:中山31.2%) ・モーリス(東京35.1%:中山29.0%) ・ハーツクライ(東京31.0%:中山24.4%) ・キズナ(東京30.2%:中山25.3%) ・ロードカナロア(東京29.4%:中山29.3%)   の5頭。その差0.1%のロードカナロアを除くと4頭です。    馬券的な注目は、この4頭の中で唯一の複勝回収率100%超えとなる111%を記録しているキズナでしょう。    中山でも複勝回収率が90%を超えており、そもそも馬券妙味の大きな種牡馬ではありますが、東京では勝率、連対率も含め、好走率が軒並みアップしています。東京巧者のイメージがない分、しばらく狙ってみて損はないでしょう。    モーリスはディープインパクトに迫る好走率の高さが魅力。複勝回収率70%と馬券妙味は一息ですが、1~3番人気に限れば複勝率73.2%、複勝回収率104%と優秀です。複勝率が示す通り、コース相性の高さは疑いようがないので、今後は人気薄の激走も増えてくるはず。先物買いとして注目しておきたいところです。    ハーツクライは、自身は中山コースの有馬記念でディープインパクトに土をつけており、中山のイメージがあります。ですが、母父トニービンの血が騒ぐのか、産駒のほうは東京で成績が大幅にアップしています。皐月賞で3、4着だったドウデュース、ダノンベルーガには、ダービーでの巻き返しを大いに期待していいでしょう。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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