白井球審は佐々木朗希に舞い上がって“威嚇”したのか?審判という仕事の裏側
文/椎名基樹
判定に不服そうな態度を取った千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希に、白井一行球審が威嚇するように詰め寄った騒動(4月24日、オリックス対ロッテ戦)は、現役選手、プロ野球OB、スポーツライター、タレント、一般人ら様々な人を巻き込んで賛否両論を呼んでいる。
高梨沙羅をはじめスポーツ選手のメンタル強化の教本となっているというアドラー心理学では「人は怒りを捏造する」と説く。「怒りのあまり大声を出した」のではなく、「大声を出すために怒った」と、怒りを捉えるという。
その論理からすると白井審判は、自らの威厳を示すために佐々木に詰め寄ったということになる。特に周目の中で怒りのパフォーマンスを行う事は、満天下に自らの立場を明らかにでき、自己顕示欲を満足させることができるように思う。アカデミー賞の授賞式で妻を侮辱したコメディアンをビンタしたウィル・スミスなぞまさにそんな感じだ。
また、注目を浴びる立場であるということで、時おりスポーツの審判が、有り体に言って、ちょっと勘違いしてるんじゃないかと思う時もある。
米国のコメディー映画「裸のガンを持つ男」では、そのあたりの、野球審判の心理をデフォルメしている。野球場に潜り込みなぜだか球審をやる羽目になった主人公は、「ストライク!」とコールするたびに、観客がわくことに味をしめて、次第にジェスチャーも派手になり、最後はムーンウォークをして踊りだす。
白井審判は自らの威厳を示すために詰め寄ったのか
審判が勘違いしている場合もある
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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