更新日:2022年05月05日 12:19
スポーツ

白井球審は佐々木朗希に舞い上がって“威嚇”したのか?審判という仕事の裏側

佐々木朗希という「記念品」に舞い上がった可能性も…?

 サッカー監督のアーセン・ベンゲルはこんなことを言っている。「レフェリーのやる事は、全く予想できない。彼らにとってデニス・ベルカンプは試合の『記念品』なのかと思うことがある」。ベルカンプというスター選手を前にして、舞い上がってしまったレフリーが立て続けにイエローカードを出してしまったときのコメントだ。  今、佐々木朗希ほど「記念品」として価値のある選手はいないだろう。2試合連続で「完全」に相手チームを押さえ込んだ佐々木朗希を前にして白井球審が舞い上がってしまったとしても不思議じゃない。

プロ野球の審判は過酷な職業である

 一方で、野球の審判の健気さには、頭が下がる。上原浩治のYouTubeチャンネルに、2018年に62歳で引退した、退場宣告17回の記録を持つ元審判員の山崎夏生が出演している。その素朴な語り口もありまって、野球の審判の苦労が非常に伝わった。  審判は金銭面で恵まれた職業というわけではないらしい。10年近くはバイトしなければ食べていけないという。また試合で問題を起こしたら、罰金を取られるそうである。  ミスジャッジをしたら、世間から一斉に叩かれてしまう。大炎上だ。山崎審判は、ファールをホームランと判定してしまったことがあるそうだ。その日は一睡もできず、何も食べられず、次の日フラフラになりながら同じカードの球審を務めた。  試合が始まると同時に「山崎帰れコール」。完全アウェーの中何とか問題なく審判を終えた。帰宅したら奥さんと子供がテレビを祈りながら見ていたという。それを見た途端緊張の糸が切れて大泣きしたと言う。
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AI判定になったら野球がつまらなくなる
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina

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