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共同通信杯、皐月賞、青葉賞…日本ダービー注目馬を前哨戦とレースレベルから探す

今年も怪物誕生を予感させた共同通信杯

2022年2月13日 共同通信杯 レースレベル「普通」  昨年はエフフォーリアが鮮烈な競馬でクラシック候補に名乗りを上げた共同通信杯。今年もエフフォーリアに続けと有力馬が参戦しました。ビーアストニッシドが逃げる形で前半3ハロン36.1秒のスローペースで進み、勝負はラスト3ハロンのトップスピード比べに。そんな中を一頭違う脚色で伸びてきたのがダノンベルーガでした。早々に前を捕まえると、2着ジオグリフに1馬身半差の完勝。スローペースの上がり勝負なので、レースレベルとしては決して高いものではありませんが、ダノンベルーガの素質は間違いなくG1級。そう予感させたレースとなりました。 2022年3月6日 弥生賞 レースレベル「高い」  近年は前哨戦を使う有力馬が少なくなりましたが、今年は2歳王者ドウデュースが参戦。ただ、プラス8kgの馬体重増でいかにも叩き台という印象は強く、3~4コーナーではやや不利を受けるシーンもあったものの、手応えも抜群というわけではありませんでした。結果、早めに先頭に立ったアスクビクターモアを捉えきれず、クビ差届かず2着までとなりました。勝ち馬はこれで中山競馬場は3戦3勝。コース巧者ぶりを活かして大金星を挙げました。前半から中盤までの7ハロンは2016年マカヒキ、2014年トゥザワールドに次ぐタイム。道中のペースが速く、勝ちタイム2分00秒5も2016年に次ぐ2位と好時計でした。今年は弥生賞組の活躍を予感させます。 2021年3月21日 スプリングS レースレベル「低い」  前日の雨が残り、稍重馬場での開催。ビーアストニッシドが最内枠から逃げ、アライバルが続く形でレースが進むと、そのままペースは上がらず1000m通過タイムは60.8秒。スローペースのまま直線に入り、2頭のマッチレースからハナ差だけビーアストニッシドが制して重賞制覇を飾りました。ただ、レースレベルとしてはスローペースの前残りの形となり、決して高いと言える内容ではありませんでした。皐月賞トライアルは明暗が分かれる形に。

皐月賞は実力通りの決着ではない!

2022年4月17日 皐月賞 レースレベル「普通」  皐月賞が行われた日は開催最終週で内の馬場が荒れており、前日から外差しが顕著でした。アスクビクターモアが先手を奪うとレースはスローで展開し、5ハロン目には12.8秒と遅めのラップが刻まれるスローペース。4コーナーで伸びる外から各馬が続々と進出。先にイクイノックスが抜け出すも、坂上でもう一伸びを見せたジオグリフが差し切りました。  1番人気のドウデュースは序盤の位置取りが悪く3着まで。ダノンベルーガは4着に敗れたものの、馬場の悪い内を終始立ち回った分。皐月賞の結果がイコール実力ではなく、今年の皐月賞はトラックバイアスの影響が非常に大きな一戦となりました。ダノンベルーガを筆頭に、内を立ち回ったアスクビクターモアやジャスティンロック、キラーアビリティなどの巻き返しにも要注意です。 2022年4月30日 青葉賞 レースレベル「普通」  日本ダービーへのトライアル青葉賞。出走権をかけたアツイ戦いは内からロードレゼル、外からディライトバローズが先手を主張し、1000m通過が58.9秒のハイペースとなりました。2頭が3番手以下を離す形のままレースが進み、直線でディライトバローズをロードレゼルが交わして先頭に。押し切るかと思われたところ、好位追走のプラダリアが直線外から一気に伸びて差し切り勝ち。この2頭が切符を掴みました。なお、青葉賞から日本ダービーで近年好走した2017年アドミラブルの年は勝ちタイムが2分23秒6。今年は2分24秒2とやや物足りなさを感じるのも事実です。  ゴールデンウイークが終われば、いよいよ日本ダービーまで待ったなし。競馬の祭典までの限られた時間を味わいましょう。 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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