更新日:2022年05月12日 10:44
仕事

入社半年で退職した新入社員。“期待のホープ”が潰れた意外なワケ

 多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、なかにはすぐに辞めてしまう新入社員もいるのだ。その理由は、いったい何なのか——。

新入社員の葛藤「僕は雑務係ではない!」

指を指すビジネスマンとビジネスウーマン

写真はイメージです。以下同

 青木俊さん(仮名・20代)は、オフィス家具を販売する会社に勤めている。親友だった同期のAは期待のホープだったが、わずか半年で辞めてしまったという。入社式で抱いたAの第一印象は「さわやか」の一言に尽きた。 「Aは、元サッカー部のいわゆる体育会系出身で、性格も明るく誰にでも好かれるタイプでした。人懐っこくて、すぐに先輩社員に気に入られて次々と業務を教えてもらっていました。プライベートでも飲み会やゴルフに誘われていて、いわば“期待のホープ”として新入社員のなかで注目株になっていたんです」

同期の中では期待のホープだったが…

 ある日、仕事の近況報告を兼ねて久々にAと飲みに行くことになった青木さん。  さぞかし、スーパールーキーらしい話が聞けると期待していたのだが、Aから出てきた言葉は予想外のものだった。 「Aは『仕事が全然楽しくないし、プライベートも自分の時間がなくて休めない』と言うんです。先輩から仕事を教えてもらって営業成績は良かったものの、業務はほとんどが先輩の雑用係。営業マンらしいことは何一つ経験させてもらえないようでした」  はたから見れば充実した日々を過ごしていたAだが、現実は違ったようだ。行きたくもない飲み会やゴルフに人数合わせで誘われているだけだったという。お酒が飲めないAは、いつも送迎係をしていたとのこと。かなりのストレスを抱えていたことに、青木さんは驚きを隠せなかった。
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「生きた心地がしなかった」
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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