しかし、ある日、学校で”neighbor”（近所の人）という英単語を習ったときに、2つの点と点がつながったのです。 　つまり、『ワールドトリガー』では「近い世界に住む敵」を表すために、「近所の人」を表す英単語の”neighbor”を当てたのだという気づきを得ることができました。 　これによって、あまり日本語にはなじみがないにもかかわらず、僕は”neighbor”という英単語だけは絶対に忘れないといえるほど深く記憶することになったのです。 　同じような記憶法は別の英単語や語句についても行ってきました。 「サンダー」という魔法が出てくれば、それの語源は英単語”thunder”から来ていることは明らかですし、「ド・ルーゴ」というキャラクターが政治に参与すれば、それはフランスの元大統領であるシャルル・ド・ゴールが元ネタになっていると察することができるでしょう。 　多くの場合、創作中のすべてのネーミングにはそれなりの理由があります。先ほどの例のように「同じような意味の外国語からとる」というパターンもあれば、「元ネタとなった人物や出来事をもじって取る」というパターンもあるわけです。 　これらの意図を汲み取ろうとしながら読み進めていけば、すべてのマンガは勉強になりうると僕は考えています。