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映画関係者が絶賛する広瀬すずの魅力「本当に成熟した大人の俳優になった」

同じ風景、瞬間を目にできることは二度とない

ホン・ギョンピョ

「写真を撮ることがすごく好き」とホン・ギョンピョ。(c)2022「流浪の月」製作委員会

――本作は風景描写も多いです。日常生活でも、よくカメラを回したり、写真を撮影していますか? ホン:映画の撮影でカメラを回しているとき以外でも、写真を撮ることがすごく好きです。特に日暮れ時、夕方または日が沈む瞬間、そうした時間帯がとても好きです。さまざまなものを見たり写真に撮ることを趣味にしていますし、まさにそれが私の職業になっていると言えます。 ――今はスマホでもきれいな写真が撮れますが、スマホのカメラは使いますか? ホン:スマホでもよく撮っています。常にカメラを持ち歩いているわけではありませんし。この風景がいいな、今のこの画がキレイだなと思うと、すぐにスマホを取り出して撮っています。同じ風景、瞬間というのは二度とありません。いいと思ったらスマホでもカメラでもすぐに写真に収めて、頭の中にイメージを残すようにしています。

“挑戦”に対するモチベーションは大きい

流浪の月

(c)2022「流浪の月」製作委員会

――職業病だなと感じるときはありますか? ホン:職業病というより、何かを見てカメラに撮ることを、僕は日頃からとても楽しんでいるんです。僕に限らず、たとえば家の中で猫がくつろいでいて、そこにとてもいい光が差し込んでいる瞬間を見たとき、自然とカメラで撮りたい気持ちになることがあると思います。いい光を見つけたり、美しいな、いいなと思う風景を目にしたりすると、自然とその瞬間をカメラで収めたい気持ちになるんです。 ――ホンさんが撮影された『哭声 コクソン』(16)に出演して高く評価された國村隼さんは、あのとき初めて韓国映画に出演されました。ホンさんは本作が初の日本映画での仕事です。おふたりともベテランになってからの新しいことへの挑戦ですね。 ホン:挑戦に対するモチベーションは、私のなかでとても大きいものです。本作より先に、韓国製作の『ベイビー・ブローカー』(22)で是枝監督とご一緒していて、日本の撮影環境や労働環境についても話を聞いていました。そうしたなかでどういうものが撮れるのか、好奇心もありました。 それに李監督は、見た目の印象はとてもソフトですが、「現場では非常に厳しい方である。日本のナ・ホンジン(『チェイサー』『哭声』)だ」と耳にしていたので、私も初心に帰って、新しい人々と新しい環境のなかで新しいことを見つけてみたいと思いました。
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新たな出会いが体にエネルギーを注ぐ
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
流浪の月』は全国公開中
(C) 2022「流浪の月」製作委員会
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