更新日:2022年07月10日 12:23
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<夏競馬>勝負の鍵は“起伏”にアリ。コース形態から紐解く福島&小倉競馬場の攻略法

短距離ではペースが上がらず、中距離でペースが上がる福島コース

9月4日まで続く夏の小倉開催。傾向を知って楽しもう!
写真/橋本健

 平坦なイメージの福島競馬場ですが、実は1~2コーナーにかけて1.7mの下り坂が設けられています。そして、向正面には1.3mの上り坂が設置されています。そのため、バックストレッチからスタートとなる短距離戦では上り坂スタートとなるためペースが上がり辛く、逆にホームストレッチからスタートとなる中距離戦ではペースが速くなりやすいという傾向が見られます。  以上の特徴を踏まえて、各コースの傾向を解説していきます。 ・芝1200m 枠→4~7枠 脚質→逃げ・先行  開催前半は良好な馬場状態と、前半の上り坂でペースが上がりにくいため、直線の短いコース形態を味方につけた逃げ先行馬が有利になります。しかし、開催が進むと徐々に差し優勢のコースに変貌するので、その点は要注意。 ・芝1800m 枠→3~6枠 脚質→先行・差し  直線の短いコースという事で逃げ先行馬を狙いがちですが、前述の通りホームストレッチからのスタートとなる1800m戦は前半のペースが速くなりがち。そのため差し馬が台頭しやすいコースとなります。 ・芝2000m 枠→5~6枠 脚質→先行・差し  大まかな特徴は1800mと同じ。ペースが速くなりやすいため、差し馬が届きやすい点は意識しておきましょう。また、2000m戦の特徴として外目の枠の好走が目立つことが挙げられ、特に5~6枠が好成績を収めています。 ・芝2600m 枠→5~6枠 脚質→先行・差し  バックストレッチからのスタートとなるので前半のペースは落ち着き気味ですが、中盤に下り坂があるという点と何度もアップダウンを繰り返すという事でタフな条件。逃げ馬の勝率が低く、小回り長距離戦で道中に捲りが発生するケースもあり、差し馬の好走が目立つ条件となります。 ・ダート1150m 枠→7~8枠 脚質→逃げ・先行  上り坂スタートに加え、短距離戦だという事で逃げ馬の勝率が高く、圧倒的に有利なコース。追込馬は極めて好走確率が低く、前に行けることが絶対条件となります。芝スタートで外枠が好成績なのも特徴でしょう。 ・ダート1700m 枠→1~4枠 脚質→逃げ・先行  ダート戦に関しては小回りコースのイメージそのままに、枠順は1~4枠の内目が優勢です。また、脚質も逃げ馬と先行馬の活躍が目立ち、内から前目で競馬ができる馬が狙い。

下り坂スタートが超ハイペースを誘発する小倉芝の短距離戦

 福島競馬場と真逆と言ってもいい起伏を有しているのが小倉競馬場です。こちらも平坦コースというイメージとは裏腹に起伏の大きなコースとなっており、直線から1コーナーにかけておよそ3mの上り坂が存在します。その後、2コーナーから向正面、そして4コーナーあたりまでにかけて上った分を下るという起伏となります。そのため、中距離戦ではレース前半の上り坂でペースが緩みやすい傾向にあり、逆に下り坂スタートとなる短距離戦では前半のペースが速くなりやすい傾向にあります。  こちらも、上記の傾向を踏まえて各コースの傾向をチェックしていきましょう。 ・芝1200m 枠→1~5枠 脚質→先行・差し  JRA全場の中で最も前半3ハロンが速くなりやすいコース。先週のCBC賞では31秒台のラップが刻まれるなど、ほぼ間違いなくハイペースになるというのが大きな特徴です。開幕週など馬場状態の良い場合は逃げ馬の好走が多いものの、開催が進むにつれて差し馬も届きます。 ・芝1800m 枠→1~2枠 脚質→逃げ・先行  レースの前半部分が上り坂となり、道中のペースが上がり辛いという点が中距離戦の特徴。中盤からの下り坂でペースは速くなりやすいものの、数値以上に楽な競馬になり、直線も平坦なため前の馬が粘りやすい傾向にあります。 ・芝2000m 枠→6~8枠 脚質→逃げ・先行  1800mと同様、レース前半に上り坂があるためペースが落ち着きやすいのが特徴。1800mと異なる点はスタートから最初のコーナーまでの距離の長さで、2000mの方がより長い分、外枠の馬が好位置を取りやすい傾向にあります。6~8枠の逃げ・先行馬が狙い。 ・芝2600m 枠→4~8枠 脚質→逃げ・先行  長距離戦は道中ポジションを変更する機会も多く、むしろ動きやすい外枠の方が優勢ではあるのですが、微差なのでむしろ枠順は気にしなくてもいいイメージ。また、下り坂の向正面からスタートするも、長距離戦は前半から急かす展開になり辛いのでペースも上がり辛く、勝負所までに好位置をキープできた馬が有利。 ・ダート1000m 枠→1~6枠 脚質→逃げ・先行  ダートスタートのため、外枠の利はありません。また、スタートから下り坂というコースレイアウトで、前半からスピードに乗せやすくハイペースを誘発しそうですが、直線は平坦で短いため押し切れる条件。ダッシュ力が最重要のコースとなります。 ・ダート1700m 枠→1~2枠 脚質→逃げ・先行  芝の中距離戦と同様、前半が上り坂で中盤以降は下り坂と平坦しかないことに加え、芝よりさらに短い直線。そのため、4コーナーの位置取りが前であればあるほど有利なコースとなります。4コーナー3番手以内をキープできれば非常に有利。  ローカル競馬場は施行距離が多くないため、覚える事が少なく済みます。上記の点を頭に入れつつ、夏の競馬をぜひお楽しみください! 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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