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カルト団体の3人が崩壊していく『ビリーバーズ』作者・ 山本直樹の原動力とは

「カルト団体」の話が用いられている背景となった事件

『ビリーバーズ』が連載開始されたのは1999年のこと。「カルト団体」の話が用いられている背景には、その4年前に起きた歴史的重大事件がある。 「オウム真理教の影響は少なからずあります。同時期に連合赤軍のことも興味があって、ストーリーに入り交じっている。20年以上前の作品だけど、いまもネット上では陰謀論が根強くあり、このタイミングで映画化されたのも、ちょうどいいんじゃないかな。ただカルト宗教の本質を探りたかったのではなく、人間が壊れていく過程を描きたかった。人が壊れていくのを見るのは面白いでしょう?」  ’06年から12年間にわたり、連合赤軍を題材に『レッド』を連載していたこともあり社会派漫画家と捉えられがちだが、漫画を介した問題提起はないという。 「ただ“エロいシーンを描きたい”っていうのが僕の原動力。エロなら、オチがない自由なストーリーでも成立する世界だし、アイデアも次々浮かんでくる。『レッド』を描いていたらエロネタが渋滞してしまったよ(笑)」  尽きない創作意欲に脱帽だ。 ビリーバーズ 監督/城定秀夫 出演/磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平 音楽/曽我部恵一 配給/クロックワークス SPOTTED PRODUCTIONS 全国順次公開中
【山本直樹】 ’60年、北海道松前郡生まれ。森山塔名義で、成人向け漫画でデビュー。本名でも『ありがとう』『安住の地』など作品多数。’10年、『レッド』で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞 取材・文/東田俊介
大学を卒業後、土方、地図会社、大手ベンチャー、外資など振り幅広く経験。超得意分野はエンタメ
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