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キャバ嬢に対して「前世の行いが良くなかったのかもね」宗教の勧誘に困惑

キャバ嬢をやっているのは「前世の行いが良くなかったのかもね」

グラスを手にする女性2人 店長に言われた通り、日曜日に出勤したA子さん。しかし、それはイベントと言ってもある宗教の「会合」だったのだ。 「当日は10人以上のお客さんがやってきました。でも、日曜なのにスーツを着ていたんです。何かおかしいな……と思って『なんのイベントなんですか?』とたずねると、『今日は会合なんだ』とかで、お祈りをすることで救われるというニュアンス。よく意味がわからなかったのですが、そこからはひたすら『君は今の人生に満足している?』『こんな仕事をしているのはきっと、前世で良くない行いをしたのかもね……』みたいなことを言われましたね」  余計なお世話と思いつつ、勧誘に対して「うちの家系はクリスチャンです」と言って断った。それ以降はムスッとして話しかけてもこなくなったという。 

店のキャバ嬢全員が勧誘を受けていた

 結局、その日出勤していたキャバ嬢全員が勧誘を受けていたことが発覚。 「他の席では困り果てていたり、少しキレ口調になっているキャストもいました。そのお客さんたちは、2時間ほどで会合を終えて店を出ました。帰った後、『本当、しつこかったね~』と愚痴を言う子や、店長に『なんで貸し切りにしたん⁉』と文句を言っている子もいました。中には『こんな店、もう嫌!』と泣きそうになっていた新人キャストもいて、翌日から出勤してこなくなりました。ただでさえキャストが少ないのに……」  A子さんは、「その団体客は出禁にしてもいいのでは?」と店長に提案した。だが、店長からは「貸し切りはさすがに断るが、個人を出入り禁止にするのは難しいかな……」と濁されてしまったという。  普段、客との宗教の話題はNGとされているキャバ嬢にとって、宗教の勧誘はもっとも対応しづらいといえるだろう。 <取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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