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視聴率“1ケタ”並ぶ「夏ドラマ」に業界人の本音。ネットで批判殺到『ちむどんどん』の評価は?

感情移入できないキャラとセリフがマニアックすぎる『初恋の悪魔』

頭を抱えて悩む男性 また、前出のプロデューサーA氏が「ガッカリした」と語る期待外れの夏ドラマは? 「ノっている坂元裕二さんが脚本を手掛けることで注目していたミステリアスコメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)は期待外れでした。まず、仲野太賀さん、林遣都さん、柄本佑さん、松岡茉優さんは若手きっての演技派ですが、主演を張るには無理があったかなと。  ストーリーとしては、警察署に勤めているが捜査権のない4人が難事件を解明していくというコメディミステリーなんですが、事件自体が非常に単調。クセの強いキャラクターたちの会話劇が見どころなのでしょうが、すんなりと感情移入できるキャラクターがいない点、文学的なセリフが多すぎる点がとっつきにくいドラマになってしまっている。巨匠・坂元さんの脚本にプロデューサー陣やスタッフがなかなか口出しできないという状況が悪循環を生んでいますね」  コアなファンからは絶賛されているドラマだけに、あと一歩“分かりやすさ”が加われば、状況は変わってくるのだろうが……。今後どんなテコ入れがなされるかも注目だ。

キャラがムカつきすぎる『ちむどんどん』

 続いて、ドラマ制作会社に勤務する若手女性プロデューサーB氏にも現在放送中のドラマについて聞いた。大の朝ドラファンである彼女は『ちむどんどん』に苦言を呈した。 「ここまで不快な気持ちになる朝ドラも珍しい……というくらいヒドい。ヒロインの暢子を演じる黒島結菜さんの演技は瑞々しくて素晴らしいのですが、彼女の行動がどれも稚拙でいわゆる“空気の読めない子”になっていて、イライラしてしまうんです。修行先のレストランでいきなり料理対決を挑んだり、周りのスタッフにも態度が悪かったり、挙げればキリがない。  朝ドラヒロインの“おてんば”な一面を表現したかったのでしょうが、あれはやりすぎ。竜星涼さん演じる兄・賢秀のおバカっぷりや仲間由紀恵さん演じる母・優子の過保護すぎる振る舞いに関してもあまり共感できない。ベタすぎるセリフも視聴者から呆れられていますよね。 『マッサン』を手掛けた羽原大介さんが脚本を書かれていますが、同作ではベタな展開がうまく機能していましたが、『ちむどんどん』ではそれが裏目に出ている気がしますね。まもなく終盤を迎えますが、最後にはちゃんと泣かせてほしい……」  タイトルの『ちむどんどん』は、沖縄方言で“胸がワクワクする気持ち”を表すという。最終回を見終わった後に、視聴者が“ワクワクできる最高のドラマだった”と思うことができるのか。
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今期のドラマで意外な注目作
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