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パンサラッサはミホノブルボン、ジャックドールはダイワスカーレットの理由。逃げ馬対決に注目の札幌記念

ジャックドールは逃げて差す「ダイワスカーレット」タイプ

勝SPA競馬

「逃げて差す」のがジャックドールのスタイル

 昨年9月に1勝クラスを制すると、5連勝で金鯱賞を勝利したジャックドール。大阪杯こそ5着に敗れたものの、連勝中のレース内容はまさに後続を寄せ付けない圧巻の逃げ切りでした。同馬が近走で逃げて勝利したレースは下記の通り。 金鯱賞……前半3ハロン35.7秒 後半3ハロン34.6秒 白富士S……前半3ハロン35.9秒 後半3ハロン34.7秒 ウェルカムS……前半3ハロン35.9秒 後半3ハロン34.3秒 浜名湖特別……前半3ハロン38.6秒 後半3ハロン33.2秒  先ほどのパンサラッサとは真逆で、前半3ハロンよりも後半3ハロンのほうが速いということです。特に浜名湖特別では、逃げながら後半3ハロンが33.2秒と速く、後続は為す術がありません。前半は脚を溜めて、差し馬よりも速く走る事で逃げ切るという戦法で結果を残しています。  こちらも、過去にこのような逃げ切りでG1を複数回制した名馬がいます。そう、それがダイワスカーレット。同馬が逃げて勝利を飾ったG1は下記の通り。 有馬記念……前半3ハロン35.6秒 後半3ハロン36.4秒 エリザベス女王杯……前半3ハロン36.2秒 後半3ハロン34.1秒 秋華賞……前半3ハロン34.2秒 後半3ハロン33.9秒  引退レースの有馬記念こそ後半3ハロンを要する展開でしたが、秋華賞やエリザベス女王杯は後半3ハロンの速い競馬でした。  ジャックドールはダイワスカーレットのように、自身も速い上がりを記録する「逃げて差す」スタイル。こういった逃げ馬が出走するレースでは、強い逃げ馬の後ろに控える先行馬も楽な競馬ができるので粘り込むケースが多く、差し馬は届かない傾向にあります。ジャックドールの金鯱賞やダイワスカーレットのエリザベス女王杯も先行馬が上位に入線しています。

時を超えて実現する名馬の代理決着の行方は!?

 今は「ウマ娘」も流行っており、過去の名馬に再び注目が集まることが多く、リアルタイムで名馬の走りを見たかったという方も多いでしょう。過去に戻ることはできませんが、今年の札幌記念でパンサラッサとジャックドールに名馬を重ね、思いを馳せるのも競馬の楽しみ方の1つと言えます。  また、馬券的な観点で、2頭の逃げ馬のどちらが主導権を握るかを予想することで、どういう展開になるか? どの馬が有利になるか?を考えるのもまた競馬の楽しみ。2頭は異なる逃げキャラですから、両雄並び立つのは難しそうです。個人的にはパンサラッサが主導権を握る形になると思うので、ジャックドールは厳しい競馬を強いられる可能性が高いと考えていますが、果たして……。  さて、そんな注目の一戦・札幌記念は8月21日の15時45分発走。お見逃しなく! 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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