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パンサラッサはミホノブルボン、ジャックドールはダイワスカーレットの理由。逃げ馬対決に注目の札幌記念

同じ逃げ馬でもその内容は千差万別

パンサラッサ

「肉を切らせて骨を断つ」パンサラッサの逃げ 
写真/橋本健

 今週はこの夏一番のビッグレースと言っても過言ではない札幌記念が8月21日に行われます。いわゆる夏競馬の開催における唯一のGⅡ戦。「札幌記念をG1に!」という声も上がるほどです。  そんな札幌記念ですが、今年はパンサラッサとジャックドールという個性的な2頭の逃げ馬の参戦も見どころの1つでしょう。逃げ馬とはレースにおいて先頭を走る馬の事を指しますが、同じ逃げ馬でも実は走り方は。さまざま。逃げ馬はレースの展開を左右する重要な脚質ですから、まさに札幌記念のカギを握る2頭と言えます。  今回の記事では、パンサラッサとジャックドールをそれぞれ往年の名馬になぞらえて、どのような“逃げキャラ”なのかを解説していきます。

パンサラッサは肉を切らせて骨を断つ「ミホノブルボン」タイプ

 パンサラッサは昨年10月のオクトーバーSを勝利すると、その後は福島記念、中山記念、そしてドバイターフと一気に海外G1を制覇。同馬が近走で逃げたレース(初角、4角ともに1番手をキープしているレースと定義)は下記の通りです。 オクトーバーS……前半3ハロン35.8秒 後半3ハロン35.9秒 福島記念……前半3ハロン33.6秒 後半3ハロン37.6秒 中山記念……前半3ハロン35.2秒 後半3ハロン37.3秒  この3戦に共通しているのは、前半3ハロンよりも後半3ハロンのほうが遅いということです。特に福島記念と中山記念は顕著ですね。前半から速いペースを刻み、後続に脚を使わせることで交わさせないように逃げ切るという戦法で結果を残しています。  そして、このようなレースでG1を制したかつての名馬がミホノブルボン。同馬が逃げて勝利を飾ったG1は下記の通り。 日本ダービー……前半3ハロン36.8秒 後半3ハロン37.1秒 皐月賞……前半3ハロン35.4秒 後半3ハロン37.1秒  いずれもレースの上がりが37秒を要するスタミナ戦となり、全馬がバテるようなレース展開となっています。  パンサラッサはミホノブルボンのように、後続に脚を使わせる「肉を切らせて骨を断つ」スタイル。こういった逃げ馬が出走するレースでは、強い逃げ馬以外の先行馬は大敗するケースが多く、差し馬が台頭する傾向にあります。パンサラッサの福島記念やミホノブルボンの皐月賞も差し馬が上位に入線しています。
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ジャックドールは逃げて差す「ダイワスカーレット」タイプ
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各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)


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