ニュース

嵐の中がんばった首都圏の鉄道5路線

山手線

山手線は、嵐による遅延はほぼなし

 3日から全国各地で猛威を振るっている春の嵐。首都圏では帰宅ラッシュの時間帯に直撃、ダイヤが乱れ主要駅は大混雑となった。新年度が始まったばかりということもあり、ツイッター上では「東京怖い」「出社二日目でもう家に帰れない」といった、新入生、新社会人のものと思われる悲痛な叫びも見受けられた。  JRでは在来線は風速が20m/s以上で速度25km/h以下の徐行、風速が25m/s以上で運転中止、新幹線は20m/s以上の風速で段階的に徐行や運転中止、とされている。「大型台風並み」といわれる今回の強風の前では運休も止む無し、といったところだろう。そんな厳しい状況の中でも大きな混乱を見せず運行を続けていた、輝かしい首都圏の路線を紹介しよう。 ◆千葉県民を救ったつくばエクスプレス  東京→千葉方面は午後3時前に運転見合わせを発表した京葉線を筆頭に、総武線、京成線、武蔵野線と次々に運休。ツイッターでは「#千葉県民帰宅困難者続出のお知らせ」のハッシュタグがトレンドワードに入るなど、千葉県民の自虐的なツイートが相次いだ。そんな中、わずかな遅れのみで運行していた「つくばエクスプレス(TX)」が千葉県民の救いの手となったようだ。八潮、南流山、柏あたりで下車し、そこからバス、タクシーなどで帰宅できた人の書き込みがいくつか散見された。 ◆横須賀線が京急の振り替え輸送  東京→横浜方面では、東海道線のみならず、なんと災害に強いとしてネット住民からも絶大な人気を誇っていた京急がまさかのストップ。そんな中、横須賀線は70%の縮小ダイヤで運行。東海道線の異音が原因で30分ほど止まっただけ、という奮闘を見せた。ネット上には「横須賀線見直した」「横須賀線のおかげで無事帰宅」といった横須賀線への賞賛に加え、「信じていた京急が止まるなんて…」といった声も上がっている。  京急ご案内センターの話によると「多摩川、鶴見川の鉄橋付近、単線区間が残る京急久里浜から三崎口駅(みさきぐちえき)などの区間でかなり強い風が確認されたため、一時運転を見合わせました。基準値となる風速などは特に設定していませんが風速、雨量、混雑具合など、現場の状況によって決めています」とのこと。確かに横浜市で瞬間最大風速30.6メートルを記録するなど、31日の嵐よりもかなり厳しい状況であったようだ。 ◆直通運転の無い地下鉄は強かった  地下鉄では大幅なダイヤの乱れはあったものの、東西線、新宿線、浅草線以外はほぼ運休無し。中でも丸の内線、銀座線、大江戸線については、遅延のアナウンスも発表されていない。乗り入れや直通運転を行っていない路線が安定しているようだ。振り替え輸送のため混雑していたようだが、あの嵐の中で通常に近い形で運行できるのはスゴイ。 ◆意外に強い東京モノレール  浜松町→羽田空港を結ぶ東京モノレールも、大幅な乱れもなく運行。少ないが羽田に到着した空の便から、乗客を都心まで運ぶ活躍を見せていた。ちなみに千葉モノレールは残念ながら上下線ともに運休していた模様。 ◆西武新宿線と西武池袋線  西武新宿線、西武池袋線をはじめとする、西武鉄道の路線も大きな遅延や運休もなく運行していたようだ。大幅な遅れや区間運休のあった、東武、東急、京王、小田急よりも「西武線余裕でした」「西武線最強」といった賞賛の声が多くみられた。余談だが、3日に西武ドームで予定されていたロッテVS西武戦は残念ながら中止となっている。  もちろん、各社とも乗客の安全を考えて運行しているため、運行停止も勇気ある判断なのは言うまでもない。それに、運休を選択した首都圏の路線も、3日23時ごろから運行を再開しているのである。嵐の中で業務を続けた全国の鉄道マン達に改めて感謝したい。また春の嵐は未だ北日本にとどまっており、5日未明までは暴風雨、暴風雪への警戒が必要とのこと。引き続き注意しよう。 <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>
おすすめ記事