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ヤマニンウルスがデビュー戦で圧勝!競馬の華「大差勝ち」の記録を振り返る

重賞の大差勝ち。印象に残るのは、あの名馬の逃げ切り

競馬

「レコード」での「大差勝ち」は、圧倒的なスピード能力の証左

 続いては、平地重賞での着差ランキング。 1位 1997年ステイヤーズS 1.8秒 勝ち馬メジロブライト 1位 1998年金鯱賞     1.8秒 勝ち馬サイレンススズカ 3位 1989年弥生賞     1.7秒 勝ち馬レインボーアンバー ※3位タイに1987年札幌記念(フォスタームサシ)  こちらもまた、1位で2レースが並びました。  メジロブライトは、このステイヤーズS圧勝を契機に、無双モードに突入。4連勝で翌年の天皇賞(春)を制しています。クラシック三冠では4着、3着、3着と涙を飲み続けた同馬が、完全に一皮剥けたレースとして印象深いのですが、このレースも重馬場。重馬場かつ3600mという非常にタフな条件設定で、スタミナの尽きた馬が次々と脱落していったことで、競馬史に残る圧勝劇となったわけです。  翌年の金鯱賞ではサイレンススズカが、後続に1.8秒差をつけて勝利。こちらは、パンパンの良馬場のもと、前半1000m通過が58.1秒というハイペースで逃げを打つと、後半1000mも59.7秒でまとめ、勝ち時計の1.57.8はレコードタイムでした。  マチカネフクキタル、タイキエルドラド、ミッドナイトベッド、トーヨーレインボーら、豪華メンバーを向こうに回しての圧勝劇。まさに「逃げて差す」を具現化したレースぶりで、この一戦をサイレンススズカのベストレースに挙げる人も少なくありません

ヤマニンウルスは従来の記録を0.7秒更新

 最後は新馬戦のランキング。ヤマニンウルスのように、圧巻のデビューを飾った馬たちですね。 1位 2022年8月20日小倉6R 4.3秒 勝ち馬ヤマニンウルス 2位 1986年3月1日阪神7R  3.6秒 勝ち馬ツキノオージャ 3位 1990年11月3日京都3R 3.3秒 勝ち馬メイショウホムラ ※3位タイに2021年12月18日中山6R(タヒチアンダンス)    こうして並べると、いかにヤマニンウルスの記録の凄みが伝わるのではないでしょうか?  従来の記録を0.7秒更新。しかも、36年ぶりです。  ツキノオージャは通算14戦3勝と目立った活躍をすることはできませんでしたが、3位のメイショウホムラは通算10勝。1993年JRA賞最優秀ダートホースに選出される活躍をみせ、デビュー戦の走りがフロックではないことを証明してみせました。  ちなみに、デビュー戦となる新馬戦で2.2秒以上の差をつけて勝利した馬は、1986年以降、25頭。まだ1戦しかしていないヤマニンウルスと、2戦目が海外だったカジノドライヴを除く23頭の次走成績は、1着5回、2着6回、3着3回、4着以下が9回。連勝を飾ったのは5頭、9頭は2戦目で馬券圏外に沈んでいます。  25頭の中にはシルクプリマドンナやサクセスブロッケンのような、のちのG1ホースも含まれていますが、新馬戦の圧勝だけでは、将来を約束されたとも言い切れないようです。  ヤマニンウルスの次走は秋になる見込み。歴代最大着差でデビュー勝ちを果たした同馬の今後に、大いに注目してください。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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