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旧統一教会問題で頻出「政治家の言い訳」を、能町みね子がセレクト。もはやギャグ

暴行、わいせつで逮捕された維新の会の港区議

――注目している「言い訳議員」がいるそうですね。 能町:以前、維新の会に所属していた港区議の赤坂大輔です。タクシー運転手を殴ったことで逮捕された時の言い訳をホームページに長文で書いたのがデビュー作です。 これを要約すると、「あまりにもひどい運転手だったので、どうしても我慢できませんでした」という内容です。 こういう事件の言い訳は、普通「殴っていない」とか「手が当たっただけ」などと、暴力自体を否定するものですが、この人は言い訳しながらも、殴ったことは認めたうえで、殴らざるをえなかった、と言っているんです(笑)。 ――言い訳として成立していませんね(笑)。 能町:どれだけ酷い運転手だったかを長々と書いているんですが、殴ってたらおしまいですよね(笑)。赤坂さんはその後、別の事件でも衝撃的な言い訳をリリースします。 ――どんな事件ですか? 能町:公然わいせつで逮捕されていて、報道では、女子高校生に陰部を見せつけたとされています。 その言い訳もまたホームページにあって「(前略)裸同然での飲酒踊り等の乱痴気騒ぎを行い、見咎めた幾人かの通行人と喧嘩状態で揉め、通報を受けて駆け付けた警官が、我々と揉めた通行人や、他の方々(マスコミ報じる私服の女子高生?等々)に事情を聴取。私を含めた数人がいくつかの罪状で逮捕された」と書いています。「全裸になったことは認めるんだ」と思いました(笑)。 ――言い訳は、崖っぷちまで追い込まれたところから逃げ出すために使いますが、この方はもう崖下に落ちちゃってますね。 能町:そうなんですよ。崖下に落ちて大ケガをした状態なのに、元気に発言してますね(笑)。

言い訳が生まれやすい風潮

――政治の世界は昨今、「誤りを認めたら終わり」みたいな風潮がありますね。それによって、こんなにたくさんの言い訳が生まれているのでしょうか? 能町:誤りを認めると、選挙に勝てなくなると思っているのかも知れませんね。それと、言い訳でやり過ごしているうちに国民が忘れてくれると思っているというのもあるかもしれません。 ――閣僚クラスになると、その人の仕事っぷりも多く報道されるので忘れることもあるかも知れませんね。 能町:そういう意味では、自民党を離党した吉川赳議員の言い訳も好きです。18歳の女の子にお酒を飲ませてパパ活をしていたという報道が出ましたが「ラウンジで働いているその女の子が18歳だとは言っていたけど、『そういう設定だ』と思った」というものですね。 この人の場合、この一件で世間に知られたので、デビュー戦でこの結果を残してしまったとなると、今後どんなに言い訳で長引かせても忘れてもらえませんよね。 ――それにしても、大物から地方議員まで、言い訳文化は蔓延しているようですね。 能町:言い訳の言葉自体を「名言集」みたいに残しておきたいですね。  安定している時よりも、追い込まれた時の振る舞いに、その人の人間性が出やすい。そうした意味では、功績や公約以外に「言い訳」から政治家を見てみるのは、新たな視点なのかもしれない。<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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