ミッドナイト開催時はスッピンの場合も
2021年の「ガールズケイリンフェスティバル」のレース後にインタビューを受ける高木真備さん。前髪が乱れている時は「記者さん言ってくれればよかったのに!と思うこともありました」とのこと。
提供:公益財団法人JKA
競輪は昼開催やナイター開催など、基本的にお客さんが入っている状態で開催されることが多いですが、モーニング開催の一部レースやミッドナイト開催の場合は無観客で、CS放送やネット配信のみとなります。高木さんの場合、無観客かどうかによってもメイク事情が変わっていたようです。
——例えばミッドナイト競輪の場合は無観客で開催されますが、お客さんが入っているのといないのとで、メイクをするかどうか変わりますか?
高木:モーニングやミッドナイトは発売時間が短いので、アップからレースまでがあっという間なんです(笑)。ミッドナイトだと18時ごろに夕食を食べてからすぐアップ、そして予選の場合は21時には発走します。そういう時はメイクの時間より身体のケアや休息など別のことに時間を使いたかったので、スッピンで臨んでいた時もありました。
レース後に1着の場合は写真を撮ることもありましたが、それも場所によっては撮らないこともあったので慣れてくるとその辺りも把握してましたね。
——でもレースはネット中継されていますよね?
高木:レース中はそんなに顔がアップになることもないんで、カメラ越しではスッピンでもわからないと思います。特に私はサングラスもしていたので(笑)。ミッドナイトでつけるサングラスが少し薄めのものをつけていたので、画面越しに目は少し見えると思いますが、そんなにわからないですよね(笑)。
——たしかにネット中継でバンクにいる選手がスッピンかどうかまではわからないですね(笑)。それでは勝った時のインタビューもスッピンだったということでしょうか?
高木:それも競輪場によって違って、ミッドナイトの時はインタビューが必ずあるわけではないんです。決勝の場合はありますが、予選ではインタビューをしない競輪場もありました。でも小倉競輪場みたいに、ミッドナイトでも必ず勝利者インタビューがあるところでは、しっかりメイクして行きます。そういった時に負けて「メイクいらなかったじゃん!」みたいになることもありましたね(笑)。
——インタビューでいうと、前検日にもインタビューがありますよね。
高木:そうなんです、そこでも戦いがあるんです(笑)。前検日はだいたい13時ころから指定練習があることが多いのですが、その前にいろいろと検査があって、着替えた後に番組表を持ってきた記者さんからインタビューを受けます。でも記者さんが多い時、私からインタビューが聞けなかった記者さんが、練習に行った後に待っている場合があるんです。
指定練習が終わった後は汗かいていて、髪もメイクも崩れてしまっているんで、その状態で「インタビューを」と言われると、「今はやばい!」と慌てていましたね(笑)。それが数年前のグランプリのときに、指定練習の終了を待っていた記者さんから写真を撮ってもらう場面があったのですが、ヘルメットをはずしてすぐだったので、前髪がぐちゃぐちゃになってたらしくて!
GP終了後、同期に「前髪ひどかったよ(笑)」と大笑いされました。その記者さんにも後日会った時に「何で教えてくれなかったんですかー!」と言ったりして、それ以来その記者さんに会えば大笑いながらこの話をよくしましたね(笑)
2020年「ガールズケイリンコレクション」で優勝した時の高木真備さん。
提供:公益財団法人JKA
——それでは、ガールズ選手が女性として一番「見てほしいタイミング」はいつでしょうか?
高木:みんな決勝戦のインタビューの時はしっかりやってきますね。CS放送で使われるインタビューで前日から決勝のメンバーは決まっていますし、「何時何分から撮ります」と言われるので、みんなしっかり準備ができます。メイクだけじゃなくて、スポンサーさんの服を着たり、お気に入りのTシャツを着たり、レース以外でファンの皆さんに見てもらえる場面はなかなかないですからね!
たまに「〇〇さんがいません!」みたいな声が聞こえると、だいたいメイクで遅れています(笑)。お風呂から上がったばかりの時に、意外と短い時間で「何時から撮ります」と言われることもたまにありましたが、その時できる限りの最高の状態で臨むのが決勝インタビューなので、注目して見てみるとレースの時とは違った一面が見えたりして面白いと思います!
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競技としてのレベルが上がっているだけでなく、選手個人のアイドル的な人気も相まって売上を伸ばしているガールズケイリン。レースで見せる逞しさだけでなく、1人の女性として見せる“美しさ”にも注目してみてはいかがでしょうか?
取材・文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント