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日本馬が凱旋門賞制覇に近づいた伝説のレース3選

日本競馬界の悲願・凱旋門賞

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今年の凱旋門賞には4頭の日本馬が参戦。日本馬の総大将は、天皇賞(春)、宝塚記念を連勝中のタイトルホルダーか 
写真/橋本健

 10月2日、フランスのロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われます。日本からは、、ステイフーリッシュ、タイトルホルダー、ディープボンド、ドウデュースの4頭が出走予定。  凱旋門賞には、1969年のスピードシンボリ以来、延べ29頭が挑戦し、その厚い壁に跳ね返されてきました。  芝の中長距離のカテゴリーにおいて、日本馬の実力は世界のトップレベルにあり、凱旋門賞は手が届かないレースではなくなっています。また、ドバイミーティングや香港国際競走など、凱旋門賞以外にも目指すべきレースが増えたこともあり、凱旋門賞というレース自体、究極の最終目標とはいえなくなってきました。  それでも、初期のダビスタで特別な条件を満たせば挑戦できた唯一の海外レースが凱旋門賞であったように、漫画『風のシルフィード』のクライマックスが凱旋門賞であったように、日本の競馬ファンにとって、凱旋門賞制覇は日本競馬の悲願として深く刻み込まれています。  そしてそれが、ある種の呪縛になっているのも事実。凱旋門賞を勝たないことには、日本競馬は次のステップに進めない感さえあります。果たして、今年の日本馬4頭は悲願を達成し、歩みを進めることができるのでしょうか?    今回は、日本馬の凱旋門賞挑戦史において、勝利に近づいた3つのレースを取り上げてみたいと思います。

初めて手が届くレースとして意識した 99年エルコンドルパサー

 1969年のスピードシンボリ、1972年のメジロムサシ、1986年のシリウスシンボリとそれまで凱旋門賞に挑戦した3頭はいずれも二桁着順の大敗。日本馬にとって凱旋門賞は手の届かない存在として認識されていました。  日本馬4頭目の挑戦となったのは1999年エルコンドルパサー。前年のジャパンカップを制して日本最強の座に就くと、翌年は凱旋門賞を目指してヨーロッパに拠点を置く長期の遠征を敢行します。フランス初戦のイスパーン賞こそクロコルージュに苦杯を嘗めますが、続くサンクルー大賞、フォワ賞を連勝。この2つのレースでドリームウェル、ボルジアといった最強クラスの相手を降したエルコンドルパサーにとって、残すライバルは欧州最強3歳馬のモンジューだけとなります。  一騎討ちムードで迎えた本番は、逃げの手に出たエルコンドルパサーが直線で後続を2馬身、3馬身と引き離します。「エルコンドルが勝った!」そう思ったその刹那、モンジューが強襲。エルコンドルパサーも必死の抵抗をみせますが、半馬身だけ及びませんでした。  それまで夢物語でしかなかった凱旋門賞を、初めて手が届くレースだと意識させてくれたエルコンドルパサー。これなら、そう遠くない将来に日本馬に凱歌が上がるはず。そう思ったファンは多かったことでしょう。まさか、そこから20年以上も勝てない日々が続くとは、当時のファンは知る由もありません。
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競馬ファンが勝利を信じて疑わなかった 06年ディープインパクト
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