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「子どもは親の背中をちゃんと見ている」家事・育児の悩み、小料理屋の女将に聞いて納得

 仕事や恋愛、家庭など、何かと悩みは尽きないものだ。人間関係が希薄になりつつある昨今、ふと誰かに話を聞いてもらいたくなることもある。とはいえ、その相手は親しい友人でもカウンセラーや医師などの専門家でもなく、馴染みのスナックや小料理屋のママのような距離感が良かったりもする——。
越智ゆき子

横浜の小料理屋「華々や(かかや)」女将の越智ゆき子さん(46歳)

 そこで今回は横浜・長沼町で小料理屋「華々や(かかや)」を営む、巷で「美人」と評判の女将・越智ゆき子さん(46歳)を取材。同店を訪れる老若男女の客から日々さまざまな人生相談を持ちかけられているという越智さんに、いまの子育て世代が抱える家事や育児などの悩みについて話を聞いた。(記事は全3回の1回目)

昼夜を問わずに働いて娘を育てた…

越智りんか

娘の越智りんかさん(写真左)。元アイドルで現在は歌舞伎町のダーツバー「SEKAIDE 1 BAR」にて店長を務めている

——まずは「子育て」について聞いていきたいのですが、ゆき子さんの自己紹介を兼ねて、ご自身の経験を教えてください。元アイドルの越智りんかさんを女手ひとつで育てられたとのことで。 【参考記事】⇒21歳でアイドルグループ卒業、歌舞伎町で選んだセカンドキャリア 越智:私は21歳で娘を産みました。しかし結婚生活は1年ほどで、正式に離婚する前に実家へ戻っていました。その後は離婚したのですが、あまり環境が良いとは言えなくて。 半年ぐらいお金を貯めて、すぐに2人で家を出たという感じですね。そこからが本当に大変でした。幸い、娘に食うに困るような貧乏をさせたことはないですけど。 ——小さい子どもを持つシングルマザーの生活って正直、想像するのも難しいくらい大変そうです。もちろん、育児自体はツラいことだけではないと思いますが、仕事と子育てを両立する生活はいかがでしたか? 越智:母が家に来て娘の面倒を見てくれたので、昼間は美容部員として働きました。帰宅後、子どもに夕飯をあげて寝かしつけた後、そのまま夜の仕事へ行くという生活でした。寂しい思いもさせましたが、私から見ても娘は本当にしっかり者で良い子に育ってくれたと思います。

子どもは親の背中をちゃんと見ている

越智ゆき子——子育てで大変な思いをしている人は共働き世帯でも多いと思いますが、一緒に過ごした時間の長さではないと。 越智:やっぱり、子どもは親の背中をちゃんと見ているから。一生懸命、親が頑張っている姿を見せられたことが、今となっては良かったのかなと。ただ、娘も思春期の頃は少し荒れていたと思います。 ——ゆき子さんは、当時どうやって向き合っていたんですか。 越智:まあ、私は遊びなんてそのうち飽きると思って好きにさせていましたね。でも、とにかく連絡だけはするようには伝えていました。何時でもいいから、「迎えに来てほしくなったらいつでも連絡しなさい」って。夜中の2時に渋谷まで迎えに行ったこともありますね。
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最初から完璧な親にはなれない
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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