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免疫力を高める「正しい食習慣」。コロナとインフルの同時流行に備える/専門家監修

新型コロナとインフルの同時流行の可能性

写真はイメージです

 厚生労働省は「今冬においては、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が今夏を上回る感染拡大が生じる可能性があることに加え、季節性インフルエンザ(以下、インフル)も流行し、より多数の発熱患者が同時に生じる可能性があります」と発表。新型コロナの発熱外来の強化と治療薬の供給、自己検査キットの確保等を呼びかけた。  インフルと新型コロナに同時にかかることは、欧米では“フルロナ”と呼ばれ、すでに確認されている。マスク着用や手洗いの励行はもとより、ワクチン接種で備えるべきだが、「ピーク時には新型コロナとインフル合わせて1日75万人の患者が出る」(厚労省)と推計されているだけに心もとない。 「はしか、風疹など“特定の病気”を防ぐのにワクチン接種は有効ですが、ワクチンというものは病原体の遺伝子が1個変わるだけで効果が弱くなる。新型コロナのワクチンもインフルのワクチンもそうした性質をもっているので、ワクチンによる“獲得免疫”だけでなく、人間が本来持っている“自然免疫”を高めるのが肝心です」 そう語るのは、免疫学を専門に長年研究している順天堂大学大学院の医師・竹田和由先生。感染症を予防するための“免疫力”を高める方法について聞いてみた。
竹田和由先生

竹田和由先生

免疫力を上げる生活習慣とは

「自然免疫は不安定で日々の体調や生活サイクルの乱れがあると下がってしまいます。自分の生活ペースを維持して、ほどよく体を動かすことが重要です。また、ストレスは免疫力を下げるともいいますが、それはストレスがかかり続けた状態のことを指し、適度なストレスは逆に免疫力をあげます。つまり、仕事というのは多かれ少なかれストレスがかかるものですが、ダラダラと残業して仕事を続けるのではなく、オン・オフを明確にして切り上げるときにはサッと切り上げる。オフではお酒飲んでも友達と話すのでもいいし、自分がリラックスできる環境作りをすることです。逆に免疫力が上がるのはどんなときかというと“ドヤ顔”をしたとき。成功体験と高揚感のハッピーな気持ちが免疫を高めます。毎日の仕事も自分にとっての小さな達成感、喜びを見つけることがコツです」  ちなみに運動については、激しすぎる運動は禁物で免疫力を下げてしまう。人と話しながらでもできる程度のごく軽いものが望ましいということだ。食習慣についてはどうか? 「基本的にはバランスのとれた栄養を十分とること。免疫というのは細胞が働いていることなので、細胞を作るための基となるたんぱく質や脂質、エネルギー源となる糖質も必要となります。それにプラスアルファで免疫力を上げるために直接作用する発酵食品がおすすめです。毎日摂取することを考えると手軽なのがヨーグルト。特にR-1乳酸菌を含んだヨーグルトが免疫力を高めるにはベストです」
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免疫力を高める「乳酸菌」の正しい取り入れ方
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