──いいですね。吹っ切れたというか、森さんが努力し尽くしたからこそ、そう思えるんですもんね。もうすぐラストライブがありますが、写真集とは別に、ライブに向けて努力していることってありますか。 森：ファンの方にお見せするライブが、これで本当に最後。だから、今は想像もつかないところがあります。これまで当たり前のように何回も歌ってきた曲が、1曲1曲と最後になっていくから、ちょっとでもいいものを見せたいというか。自分でも「もっとああすればよかった」と思ったとしても、次が絶対にないステージだから。 歌もダンスも頑張るけど、6年間やってきて、今から劇的に上手くなるってことはないじゃないですか。私たちのステージは、上手いことがすべてというわけじゃないから、ひとりひとりのお客さんとたくさん目を合わせられるようにしたいし、ひとりでも多くの人に満足して帰ってもらう、すごい思い出に残る1日にしたい。そのために何をすればいいかって、具体的には今思い浮かばないんですけど、私も悔いなく楽しむ！ っていう姿勢でいるし、絶対に楽しんで帰ってもらうんだ！ っていう、その気持ちだけはずっと持っています。 ──さっきの「自分の体質をそのまま受け入れる」っていう話となんだか似ていて、「6年間やってきたものをそのまま見せる」っていう気持ちでいるんだなと感じました。 森：そうですね！ なにか変えなきゃっていうよりは、良くも悪くも今までどおり！ ファンの方も、きっとそういう私たちを好きでついてきてくれたわけだから。レベルが上がるに越したことはないですけど、私たちにできることっていうのは「今までどおりのニジマス」を見せることなのかなって。もちろんラストライブまでに努力はしていきますけど、気持ちとしては、今までやってきたことを見てもらう！ そして一緒に楽しむぞ！ っていう感じです。 ──森さんは、10月30日のラストライブ以降も、写真集のイベントで直接ファンの方に会う機会があるじゃないですか。そのとき、どんな話をしようかとか、今考えていることってありますか。 森：私以外のメンバーは、ラストライブの感想をファンの方から直接聞いたり、それに対して「実はあのとき、こうだったんだよね」みたいなお話は難しいですけど、私はそれができる機会がある。だから、ちょっとした裏話とか「この曲はこうだったんだよ」みたいな話が、最後の最後までできるのは嬉しいなと思います。 ファンの方って、ひとり1回と言わず何回も感想を伝えに来てくれて、いっぱいの気持ちを言葉にしようとしてくれる。けど、それでもまだ足りなくてっていう、もどかしいところを見てきたので、私は最後まで、色んなお互いの気持ちを伝え合えたらいいなって思います。 ──そういう裏話や、他のメンバーのエピソードを森さんから聞けると思ったら、他のメンバーを推している方もいっぱい来ちゃうんじゃないですか。 森：そうなんですよ！ 今もたまに、他のメンバーのファンの方に「イベント行くからね！ 誰々のこと教えてね！」って言われることがあるんです。でも、その期待に応えられるか不安で……。 ──不安というのは？ 森：メンバーみんな仲がいいので、解散しても集まったり連絡を取り合ったりすることは当然あると思うんですよ。だけど、ラストライブが終わったら、ちょっと休憩したいなって思う子もきっといるじゃないですか。6年間、人の前に立ち続けてきたわけだから、一旦人の目を気にしないで過ごす期間がほしいなって思うかもしれない。その場合に、私がその子の情報を勝手に発信することはできないなって思うんですよね。言われて困るようなこととかじゃなくて、「髪切ったらしいよ」っていう些細なことでも、私が言っていいのかな？ って考えちゃう。そんな状況になるかわかんないけど！（笑）メンバーの気持ちとファンの方の気持ち、その両方を私が上手く汲める自信がないなって、ちょっと思っちゃいます。