「新人なのにかわいくない」という怒り方は人格否定だ!
その人と話すとグッタリしてしまう、異様に場が暗くなる、なぜか会話がネガティブになる、体調まで悪くなってくる……そんな人が周りにいないだろうか? ネガティブなオーラを発し、周りの精気を吸い取るこの手の人々を、アメリカでは「エナジーバンパイア」と呼んだりする。原因不明のダルさは、もしかしてバンパイアのせいかもしれない…。
【理想の新人像を押し付けるエゴの塊型バンパイア】
取材現場に現れた兼元誠さん(仮名・24歳・フリーター)は20代前半とは思えぬほどのやつれ具合。聞けば、上司から不当な残業を強いられていたのだという。
「30分で済む仕事なのにわざと終わらないような指示を出して、朝まで残業させられるんです。単なる手書きのメモに対して、『図は全部定規で描け』、『字が汚いからペン字ドリルやれ』と、どうでもいいことで怒ってきて」
◆指示通りに行動したら「生意気だ」と怒られた
兼元さんがこの理不尽な仕打ちを受けるようになったのは、配属から2週間後。配属直後は「最初は担当量が少ないし、終わったら帰っていいのよ」と言われたのを真に受けて定時に帰っていたところ、呼び出されてしまったのだ。
「『定時に帰るのは生意気だ』と怒られました。どうやら、上司のなかには理想の新人像があるらしく、“失敗ばかりで残業続きだけど、そこがかわいくてみんなに助けられている”というもの。仕事をサクッとこなして定時に上がる僕は、この理想像に合わなくて気に入らなかったようです。『歴代のコたちはこんなにかわいい新人だった!』という怒り方をされるので、人格否定されている気分に。入社半年目にはついに体調にも表れて、大好きな焼き肉を食べていたのに全部吐き、原因不明の突発性難聴がたびたび起こるようになりました」
おかげで兼元さんは、この就職難の時代にもかかわらず、次を決めずに辞めてしまった。バンパイアは人の人生を狂わせる。
【人気心理カウンセラー、Dr.タツコ・マーティンの教え】
『ポジティブなイメージで邪気をはね返すべし』
その上司は「被害妄想バンパイア」。早く帰るあなたにバカにされたと思ったのでしょう。さらに「批判大好き上から目線バンパイア」の混合タイプでもあります。このバンパイアは相手を徹底して批判することで精気を奪います。そんな困った上司には、ポジティブなエネルギーで自身をガードするイメージをして邪気をはね返しましょう。
【Dr.タツコ・マーティン】
臨床心理学博士、心理カウンセラー。米国ロサンゼルスにてカウンセリング、コーチングを行う。新著「エナジーバンパイア」から身を守る方法』(小社刊)が好評発売中
イラスト/ろくでなし子
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