井浦新が語る「欲を持つことの大切さ」
その確かな演技力で、今やドラマや映画に欠かせない俳優・井浦新。最新主演ドラマWOWOW『連続ドラマW 両刃の斧』では、所轄刑事・川澄成克として、同じくW主演の柴田恭兵演じる元刑事・柴崎佐千夫と15年前の殺人事件の真相をめぐって激しくぶつかり合う。’99年に『ワンダフルライフ』で俳優デビューした後、映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち。』『かぞくのくに』(ともに’12年)などで実力が評価され、近年はドラマ『アンナチュラル』(’18年)『最愛』(’21年)などでも注目されている48歳。大ベテランとの共演で改めて感じた俳優としての現在地点、そして自らの“欲”について語ってもらった。
――今回の作品を通じ、井浦さんが最も受け取ったもの、感じたことは何でしょうか。
ひと言で表すのは難しいです。柴田恭兵さん演じる柴崎さんと、自分が演じている川澄、この二人の、現役と元刑事の意地のぶつかり合い。確かにそういう作品ではあるんですけど、最後に結局、何が残るかというと、登場人物それぞれの、誰かを「想う」という気持ちというか。それは憎しみだったり、愛だったりと形は異なりますが、「人の想い」のぶつかり合い、重なり合いだと思います。
すべての登場人物が何かを抱え、何かを想い、作品の世界のなかで生きている。それが、時としてすれ違ったり、まったく接点のなかったものが突然グンと近づいてしまったり。それぞれの関係性がちゃんとあるからこそ、それぞれの想いがぶつかってしまう。「人の想い」を全身で感じられる作品になっていると思います。
――第一話を拝見しましたが、確かに息を呑む展開でした。
台本を見ているときも、薄く感じてはいたんです。「とんでもないセリフ量だな」と。そっちのほうも大きな課題でした(笑)。毎日が言葉との格闘でした。
『両刃の斧』って、字面がだいぶ痛そうですよね。ビジュアルからも男くさい世界なのかなという印象があるんですけど、想像もできないくらい「家族」と「愛」の物語です。そこがベースにあるので、サスペンスや推理の要素はありますが、見てくださる人たちに「愛」を届けられたらいいなと思ってます。
「人の想い」を全身で感じられる作品
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