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恋愛ドラマ『silent』から意外な注目作まで。テレビマンが評価する“秋ドラマ”中間採点

ドラマのタブーを重厚に描く『エルピス-希望、あるいは災い-』

 最後に、深夜ドラマやウェブドラマを書くシナリオライターのC氏にも話を聞いた。 「実在する事件から着想を得た社会派ドラマで、テレビ局内のハラスメントや報道姿勢に切り込む『エルピス-希望、あるいは災い-』(フジテレビ系・月曜午後10時~)だけは欠かさず見ていますね。  落ちぶれた女子アナを演じる長澤まさみさん、若手ディレクターを演じる眞栄田郷敦さんをはじめ、主要キャラの役への入り込み方が完璧。また、キーパーソンとなるさくらを演じている三浦透子さんの目力や表現も素晴らしい。  その中でも、脚本がずば抜けて面白いですね。映画『ジョゼと虎と魚たち』や朝ドラ『カーネーション』を手掛けた渡辺あやさんにしか書けないストーリーだと思います。綿密に取材したであろう重厚でシリアスなテーマを、テンポよくコミカルな要素も織り交ぜつつ見せていく構成はもちろん、後味の残るセリフも引き込まれます。後半にいくにつれてストーリーも加速していくでしょうし、もっと視聴率も上がっていってほしい。見逃し配信で全話解禁してもよいのでは?」  プロが認める天才脚本家が構想から6年を費やしたテレビ界のタブーに切り込む重厚ドラマは、後半以降の展開でますます盛り上がりを見せそうだ。  秋の夜長だからこそ、社会現象になりつつある恋愛ドラマはもちろん、業界人たちが注目したドラマも見直してみてはいかが? <取材・文/木田トウセイ>
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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