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森保JAPAN、負傷者続出で立ち込める暗雲。W杯本戦では新星に期待が

決定力は運任せでいいのか?

熱い想いを口にする田嶋会長

 最後にフィニッシュについてだが、ゴールを決められるかどうかは運に左右される要素も大きい。たとえば、2010年の南アフリカ大会で得点王となった元スペイン代表FWダビド・ビジャも「得点には才能と運が必要」と明かしてくれたことがある。その他のストライカーもゴールには運が必要とそろって主張する。  このように才能と運が必要ということを重要視すれば、今季のJリーグで13得点を挙げた町野修斗を追加招集できたことは好材料になるかもしれない。彼に運が傾けば、1990年のイタリア大会で得点王となったイタリア代表FWサルバトーレ・スキラッチのように本大会で爆発するかもしれない。  とはいえ、すべてを運任せにするのはナンセンスでどうシュートの御膳立てをするかは、ある程度チームの戦術として考えなければならない。理想で言えば、鎌田や久保のパスが一気にシュートまで持ち込めるキラーパスとなれば良いのだが、さすがにそんなチャンスはなかなか訪れないだろう。伊藤を中心とした前線の選手が相手陣地深くまでボールを運べたと仮定したとき、そこからどうやってシュートに結びつけるかをチームとして考えておかなければならない。単純にクロスボールを入れても良いが、特に浮き球のクロスは点と点を合わせるプレーで、相手に対して高さで有利に立てない日本の前線にとっては得点確率の低いプレーになる。より確率を高めるには、得点を挙げている選手に得意な形でボールを渡すことになる。今の日本代表にとっては、ペナルティーエリア内を含めたその付近でゴール方向を向いた鎌田にボールを渡すことだろう。今季の鎌田はその形から得点もアシストも数多く記録しており、そういった状況に遭遇した際には期待に応えてくれることだろう。<文/川原宏樹>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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