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競馬の達人が衝撃を受けた「エリザベス女王杯」3選。降着、圧勝、大波乱…

2位 2010年/内からの「すんごい脚」に世界の実力を痛感

競馬

内から「すんごい脚」で差し切ったスノーフェアリー。翌2011年のエリザベス女王杯にも参戦し、連覇を達成している

 2010年は20歳も超えており、馬券も購入できた年。実はこのとき、筆者には好きな馬がいて、それがメイショウベルーガでした。この頃にはラップなど色々競馬についても勉強をしており、この馬の「息の長い末脚」は京都競馬場向きというのを確信していました。実際に前走の京都大賞典では菊花賞馬オウケンブルースリを降しており、そのときに馬券も的中していた事も好きな理由です(笑)。  2010年のエリザベス女王杯は三冠牝馬アパパネが1番人気に支持されていましたが、京都競馬場ならメイショウベルーガが上回れると予想していました。筆者は京都生まれ京都育ちで、この年は競馬場にも通っておりメイショウベルーガから馬券をしこたま購入していました。  さて、レースはメイショウベルーガがいつものように中団から進め、直線は外から差してくるという展開に。ただ、直線で内からものすごい脚で一気に先頭に立ったのが、名手ムーア騎手に導かれたスノーフェアリー。あっという間に後続を突き放して、筆者の本命馬メイショウベルーガに4馬身差をつける完勝でした。  ムーア騎手の豪快な追いと、スノーフェアリーの破壊力抜群の末脚。実況も思わず「すんごい脚」と言ってしまうのも頷ける圧巻の競馬で、世界の実力を痛感したエリザベス女王杯でした。

1位 2009年/競馬の面白さと恐ろしさが詰まった2分13秒6

 そして1位は2009年。筆者の初めてのエリザベス女王杯観戦レースでもあります。  この年のエリザベス女王杯の主役はブエナビスタ。圧倒的な末脚を武器に、桜花賞とオークスを勝利。夏場に蟻洞(蹄の炎症)を発症し、秋華賞は降着での3着に敗れましたが、間違いなくその能力の高さは現役屈指の存在でした。その証拠に、エリザベス女王杯は単勝オッズ1.6倍の圧倒的な1番人気。筆者も間違いなく勝つだろうと戦前には確信していました。  レースが始まると、クィーンスプマンテが逃げて2番手にはテイエムプリキュア。すると、2頭が後続を大きく離す展開に。京都競馬場のゴール前あたりで観戦していた筆者含め、「その内バテるだろう」という感じで見ていましたが、1000m通過タイムが60.5秒と決して速くない事がわかり、さらにドンドン2頭と後続との差が離れていく状況に、徐々に周りもどよめいていったのを今でも覚えています。  直線を向いた時には、2頭ははるか前でとても届かないのがわかる差がついていました。結局、そのまま2頭が粘り込む形で、ブエナビスタは追い上げるも3着まで。「これだけ強い馬でも負けてしまうのか……」と競馬の恐ろしさを感じたのと同時に、展開一つで強い馬でも負かすことができる競馬の面白さを感じたエリザベス女王杯でした。  今回は筆者が実際に見たレースに絞った3選のため、このような順位となりましたが、皆さんの思い出に残るエリザベス女王杯はどの年ですか? 今回の記事を機に、色々と昔のレースを思い出していただけると嬉しいです。  そして、今年のエリザベス女王杯も好メンバーが揃い、きっと思い出に残るレースになるでしょう。発走は11月13日の15時40分です。 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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