フェムテック関連イベントの運営側にメール質問
日刊SPA!編集部は、近年開催されたフェムテック関連イベントの一つであるフェムテックトーキョーの運営会社「RX Japan」に質問を送付。下記のような回答を得ました。
Q.フェムテック・トーキョーに参加した一部の人(医療関係者を含む)から、SNS上で、「テックとはほど遠いものが多い」「医学的なエビデンスがあるのか疑問」など、出展されていたサービスや製品に対する疑問の声が多くあがっていました。こういった指摘についてはどのように受け止めていますか?
A.エビデンスに関しては、出展社様のご責任でご出展いただくようにお願いしておりますが、ご指摘いただいた一部のご意見に関しては真摯に受け止め、次回以降も薬機法に係る表現や文言について、啓発セミナーを出展社向けに行うなどの取り組みをしっかり行っていきたいと思っております。
Q.「(実際に最新のテクノロジーを活用し、女性の抱える課題の解決に導くような)フェムテック製品と、(膣ケアなど女性の体を“ケア”する)フェムケア製品が混在していた」との意見もありました。会場での出展ブースの配置などはどのように決めたのでしょうか?
A.本展は、「フェムテック・フェムケア製品やサービスが一堂に出展する展示会」と定義しており、
その旨はHP, 出展募集や来場誘致の資料などにも明記し公開しております。ゆえにフェムケア製品も多数出展しております。また、ブースの配置に関しては、女性のライフステージに合わせた5つのゾーンで構成しております。
Q.出展される製品やサービス、また出展企業については、なにか採用基準などを設けていたのでしょうか? 設けていた場合、どのような採用基準でしょうか。
A.出展商材については、展示会という公の場であるためオープンに募集をさせていただいております。その上で、フェムテック・フェムケアの出展対象とずれているものに関しては、確認の上、出展をお断りしております。
Q.出展される製品やサービスのエビデンスについて、個々に運営側で確認などは行なっていましたか? 行なっていた場合どのように確認しましたか。
A.最初の質問の回答と重複しますが、出展される製品のエビデンスについては出展社様の責任でご出展頂くようアナウンスしております。
一方、前述の通り出展に際してご注意いただきたい薬機法に係る広告表現についての啓発セミナーを出展社向けに行うなどの啓発活動を行っており、次回に向けても取り組んでゆく予定です。
Q.主催者側(運営サイド)に産婦人科医などの医療関係者はいましたか? もしくは開催にあたり、(医療分野に限らず)フェムテック関連の専門家の監修、指導などはありましたか。あった場合、どういった方がアサインされていたか教えてください。
A.弊社は見本市の主催企業であり、医療関係者はおりません。企画などに関してアドバイスをいただくことはございました。一方で開催にあたり、本展の協力団体様にご協力を頂き、 出展に際してご注意いただきたい薬機法に係る広告表現についての啓発セミナーを出展社向けに行うなどの対策を行っておりました。
Q.次回開催の予定はありますか? ある場合、今回の開催を踏まえ、どのようなイベントにしたいと考えていますか?
A.来年も10月に開催予定です。ご指摘の改善点がある一方、多くのご来場者様、ご出展社様にご評価をいただいており、すでに今回の2倍のペースで次回の出展申し込みを頂戴しております。引き続き「女性がより健やかに活躍できるよう、社会全体がサポートする未来の実現」に貢献する展示会を真摯に開催していきたいと考えております。
また、ご指摘を頂いた事実に関しては、今回も対策を行っておりましたが、より徹底して開催の準備を進めていく所存です。具体的には、
1)薬機法に係る広告表現についての啓発セミナーを出展社向けに行う
2)会場で広告表現に関して問題がある会社には是正を促す
3)出展社からの相談窓口を設ける
などといった対策を外部機関と一緒に検討しております。
本展は、女性のライフステージにおける様々な健康課題を解決できるフェムテック・フェムケア企業が一堂に出展する展示会です。今後もオープンな場であり続け、女性の健康と活躍をサポートする社会の実現に貢献したいと考えています。
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国内では黎明期と言えそうなフェムテック業界。今後の動向を注意深く見守る必要がありそうです。
<取材・文/菅原史稀>