更新日:2023年02月24日 09:26
仕事

元セクシー女優の転職活動記。フリーになって体験した「クラウドソーシング」の闇

直接交渉するクライアントも少なくない

たかなし亜妖さん

禁止されている「直接交渉」が行われることもあるという…

 サイトを介してのやり取りがルールなので、クライアントと受注者が直接やり取りを行うのは禁止とされている。しかし、以前昼職体験記でも書いたように直交渉をするクライアントは少なからずいる。  継続して一定期間案件を受けていると「次回からはサイト外での取引をお願いしたいのですが」と連絡が来ることも珍しくはないらしい。手数料がどこも高いため、直接取引をした方が負担は減る。その点を考慮すると心が揺れ動くのも無理はないが、クラウドソーシングという名の仲介を取り払っても単価が上がるとは限らない。お値段据え置き、サイトを経由するムダが省けて安く人を使えることから、直取引によって「クライアントは」それなりのメリットがあるだろう。  反対に受注者は、報酬アップを狙えなければ手数料がカットされるくらいしか魅力がない。もしかすると長期的な付き合いを考えている良いクライアントもゼロとは言い切れないが、個人的にはルール破りの時点で“いろいろお察し”だと思う。  交渉の申し出を2件ほど受け、私はクラウドソーシングの利用をやめた。単価も変わらず請求書作成の手間も追加されるとなれば、自分で営業して仕事を取ってきた方がプラスになると考えたからだ。

クラウドソーシングの利用が仕事の基盤作りに

 クラウドソーシングの利用者は年々増加しているらしい。働き方改革により副業を始める社会人は多く、その勢いは新型コロナの影響で加速したそうだ。  単純に暇だから、残業代で稼げなくなったから、家に居る時間を有効活用したい等理由はさまざまだが、そんな時に面倒な手続きなくパッと取り組める。クラウドソーシングの浸透は働く社会人にいい影響を与えているに違いない。  私にとってクラウドソーシングサイトの利用は、フリーランスの基盤を作るきっかけとなった。自ら仕事を取り、依頼物をこなす。流れだけを見るとシンプルだが、執筆の練習や仕事意識を高めるには重要なこと。  今となっては報酬が低かったのも駆け出しの洗礼であり、直交渉を持ち出すクライアントに遭遇したのも社会勉強だったと思っている。初っ端から満足のいく金額を提示されていればきっと調子に乗っていただろうし、自分の足で仕事を取りに行く踏ん切りがつかなかったかもしれない。
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クラウドソーシング1本に絞るのは厳しい
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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