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パワハラに過敏になる上司が続出。日本の企業が“人材投資”を行わない理由とは

アメリカでは50代が大学に通う

写真はイメージ

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 一方、海外の社会人が勉強に意欲的な傾向として、「学ぶことが自分に有益になると知っているからだと思います」と分析。 「25年ほど前の話ですが、私がアメリカの大学に留学していた時、スピーチの基礎を学ぶ授業に50代くらいの大工さんがいて驚きました。それと同時に、いくつになっても学ぼうとする姿勢はかっこ良いですし、そういう人を大学が受け入れていることにも感心しました。  日本で教育を受けた私には、学ぶというのは学校ですること、受験のためにするものという固定観念があるように思います。しかし、海外では学ぶということが自分の成長や世界を広げることであり、自分の人生をより豊かにすること、という考えが根底にあります。若い時に学ぶ意義や姿勢を学べたことは私にとって大切な経験です」

質の格差が広がる

 ちなみに人材の質は変化しているのだろうか。 20~30年前との比較について「人材の質が低下しているかと言われると私にはわかりません」と前置きをしたうえで次のように答える。 「長時間労働や上司から叩き込まれる手法での学びが“パワハラ”と捉えられるようになって、全体的に減っていきました。そして、学ぶ自由や学ばない自由を手に入れた結果、学ぶ人はより高い技術を身につけ、その技術を活かせるために海外への流出は増えています。その一方で、学ばない自由を選択する人もいるため、質における格差はどんどん広がっていくでしょう」  平田氏は質の高い人材が海外流出している現状を危惧した。
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部下を教育しなければならない上司ができること
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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