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パワハラに過敏になる上司が続出。日本の企業が“人材投資”を行わない理由とは

上司ができることとは

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 自主的に学ばず、企業も投資してくれない状況下。それでも上司は部下を教育しなければいけない立場である。今の時代に求められる上司の立ち回りとして、「良い仕事をするには、よく考え、自分を磨き、試行錯誤することがどうしても必要です。しかし、そのキッカケを上司自ら部下に提供する必要があるでしょう」と提案。 「私の職場では、小さな貸し出し図書コーナーを作って、段取りの工夫や、コミュニケーションの書籍などを書評とともに紹介したり、教育系動画のアドレスを紹介したQRコード付きチラシを置いたりしています。まるで本屋さんになった気分ですが、反応してくる職員もいて、『次はどんなことを学びたいか?』とリクエストを聞くなど、意見を引き出しながら双方向の学びの機会の創出に努めています。  職員の主体性がなく企業も投資してくれない最悪の状況は、上司にとって最高の腕試しの機会です。自分の創意工夫だけで人が育ったら、それはすべて上司の実力ですし、教育者として次のステップも見えてくるかもしれません。自分のためにも、できない状況を嘆くよりもできる方法を考える方が、ポジティブに行動できると思います」

我慢強さが必要

 昨今はワークライフバランスを重視する若者が多い。仕事に情熱を燃やさない、仕事の優先順位の低い若者を指導する際に気をつけるべきこととして、「私は仕事の目の付け所をアドバイスするようにしています」と語る。 「『どうすれば相手に喜んでもらえるだろうか、どうすれば上司に邪魔されずにスムーズに仕事を進められるか、どうすれば最短で質の高い仕事ができるか、といったことをゲーム攻略みたいな感覚で工夫してみると面白いよ』と部下に助言しています。自分で考えさせ、やらせ、やったことを認め、さらに考えさせるというループが回ると自ずと仕事の面白さをわかってきます。ただ、そこまで導くには指導者は我慢強く観察しないといけません」  何かと負担を背負わされる上司に同情したくなるが、上司自身も成長の機会と考えて、前向きに取り組むことが大切になりそうだ。 取材・文/望月悠木
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
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